最終章 〜ともに歩き出す〜
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最終章 〜ともに歩き出す〜
しばらく立ち尽くしていた。
きっと、時間にしたら
それほど経ってないだろうけど
頭が真っ白になって、動けずにいた。
シャンクスが、チャンだった。
「おれの部屋は見るな、と前に言っただろう。」
身体が跳ねて、声がした方を振り返れば
ドアの側でシャンクスが立っていた。
「裸の姉ちゃんの本を見たら後悔するぞ。」
「……そんなのどこにもない。」
「隠してあるんだよ。」
フッと笑うシャンクスの目の前に
エターナルポースを差し出す。
「これ……」
手も、声も、震えていた。
「……言っただろ。拾ったんだ。」
「嘘。私が送ったものは、間違いなくチャンに届いたはずだし、こんな形のエターナルポース、他にある?それにこの鳩…この子はチャンの鳩だよ……」
「こんな鳩、どこにだって——」
「あなただった!!」
もう言い逃れできないのは
わかっているはずのシャンクスに
私は思わず声をあげた。
「あなたがチャンだったの!!」
同時にポロリと涙が出る。
あぁ、今日は泣いてばかり。
頭の中はぐちゃぐちゃだ。
まさかとは思っていたけど
本当にシャンクスがチャンだった。
内緒にされていた。
嘘を吐かれていた。
信じていた人は私を欺いていた。
ずっとずっと、会いたかったのに。
こんなに近くにいたのに、知らなかった。
「言ってくれればよかったのに……」
「ミドリっ……」
何も答えないシャンクスに吐き捨て
私はその部屋を後にした。