第六章 〜真実を知るとき〜
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第六章 〜真実を知るとき〜
机に向かって、ペンを握る。
そうして、どのくらいの時間が経っただろう。
机に置かれた便箋は真っ白なまま。
気を紛らわそうと
チャンへの手紙を書こうと思ったけど
言葉がひとつも出てこない。
好きだと言わせてくれなかった。
フラれる前に
気持ちを伝えることも拒否された。
きっとそれは、シャンクスの優しさ。
明日、あの人はいなくなってしまうから。
目の前から姿を消してしまう相手に
そんな想いは悲しすぎるから。
わかってる。
でも、どうしても……
「好きなのに……」
伝えられなかった想いが
誰もいない部屋の中に消えていく。
頬を涙が伝った。
「う…うぅ……」
思い切り、泣いてしまおうと思った。
白紙の便箋に、涙が染み込んでいくのを
ただ眺めていた。
ーーーーーーー
「ミドリ先生どうしたの?」
「今日、元気出ない?」
「ごめんごめん。元気だよ!心配しないで!さ、勉強始めよう!」
子どもたちに心配かけてしまうなんて
よほど酷い顔をしていたんだろう。
昨夜はあのまま、泣き疲れて
机に突っ伏して眠ってしまった。
おかげで今朝は体が痛い。
でも、思いっきり泣いたおかげで
気持ちは少しスッキリとしていた。
どんなに足掻いても仕方ない。
大好きな人は今日、遠くへ行ってしまう。
その現実を受け止めて
私はこれからも過ごしていくしかない。
気を引き締めて
今日という日をスタートさせた。