第四章 〜近くて遠い〜
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「どうしてグランドラインの後半から、わざわざこの島へ来たんだ。」
陽が傾き始める頃
大分お酒も進み、目が据わってきた店長が
唐突にシャンクスにそう聞いた。
「いいだろ別に。どこに行こうがおれの自由だ。」
「いくら自由でも、レッドラインを超えてここまで来るか?ここが有名な島ってわけでもねェのに。」
「たまたまエターナルポースを拾ったんだよ。な!お頭!」
「あァ、そうだ。暇つぶしに指針を辿ったらここに着いたんだ。」
「暇にもほどがあるだろ。」
「うるせ!」
2人のやりとりに周りからドッと笑いがおこる。
その会話から、私は思い出した。
「エターナルポース……」
「知らねぇのか?ミドリ。」
「ううん、知ってるけど。」
数ヶ月前にチャンに贈った
この島のエターナルポース。
その役目を果たすときは来ないのだろうか、と
ふと考えた。
「お頭の部屋にはいろんな島のエターナルポースがあるんだぜ。おれ達はそのどこにでも行ける。」
ひとりのクルーが得意げにそう言った。
「シャンクスの部屋があるの?」
「そりゃ大頭だからな。船長室があるよ。」
「へぇ〜……」
色々な島のエターナルポース。
ちょっと見てみたい。
期待を込めて、シャンクスに視線を送ると
「見せねェよ。」
シャンクスはお酒を口に含みながら
何かを察したように、そして面倒くさそうに
私にそう答えた。
「見てみたかったな…」
「見たら後悔するぞ。裸の姉ちゃんの本ばっかだからな。」
「なっ…!」
「お子様にはとても見せられねェ。」
「私、お子様じゃないです。」
「とにかくダメだ。」
私をおちょくるのが楽しいようで
シャンクスはニヤニヤと笑っていた。
裸の女の人の本は確かにあまり見たくはないし
ここまでダメと言われてしまえば諦める他ない。
「じゃあ、あそこに行ってみたいです。」
この大きな船でいくつかある見張り台の中で
一番高い位置にあるそれを見上げて指を指す。
「見張り台か。」
「海を見たくて。」
「港町に住んでりゃいつでも見られるだろ。」
「そうじゃなくて、できるだけ高い位置から、大きな海を見渡してみたい。」
「おういいぞ。登ってみろ。」