第一章 〜遠い空の下で〜
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第一章 〜遠い空の下で〜
『チャン、素敵なペンダントをありがとう。
こうして元気に二十歳を迎えられたのも
チャンのおかげです。
成人もしたし、今日から叔母の元を離れて
一人暮らしを始めました。
なんとかやれてるから、お金はもういりません。
本当にいつもありがとう。
私もチャンに何か贈りたいと思ってたので
この島のエターナルポースを贈ります。
チャンは今どこにいるのかわからないけど
できるなら、あなたに会ってみたいです。』
自分だけの新しい部屋。
決して広いとは言えないワンルームで
荷解きを終えてすぐ、チャンに手紙を書いた。
用意しておいた、この島のエターナルポース。
紐が通してあって
首から下げられる珍しいタイプのもの。
それを同封して
待っていてくれた伝書鳩に取り付けた。
「あなたは、チャンがどんな人か知ってるのね。」
この鳩は、不思議なことに
どこにいるのかもわからないチャンの所へ
飛んでいき、必ず私の手紙を届けてくれる。
「できた。じゃあ、お願いね。」
取り付け終えると、勢いよく飛び立った。
チャンに手紙を送るのに
こんなにドキドキしたのは初めてだ。
会いたい、と言葉にしてしまったから。
海の向こうでこれを読んで、彼はどう思うだろう。
ーーーーーーー
その日の夜、夢を見た。
「——っ……はぁ…はぁ……またこの夢……」
前から時々見る、とても悲しい夢。
全身血だらけの母が
血だらけの腕で私を抱いて必死に走ってる。
——この子を、どうかお願いしますっ!
助けてください!!
弱々しい母の腕から、誰か他の人に預けられて
——ままぁ!ま〜まぁ〜!!
私は泣き叫ぶけど
その場で倒れた母が動かなくなり
大きくて力強いその人の腕にすがって
私は声を上げて大泣きする。
落ち着くまで、いつまでも
その大きな手で髪を優しく撫で続けてくれていた。
この人は誰なんだろう?と
見上げるところで、いつも目が覚める。
彼の顔は確認できないまま。