アネモネの恋 〜あなたを信じて待つ〜/ロシナンテ
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〜side ミドリ〜
——約束する。必ず帰ってきて、またあの赤い花を君に贈る。
あれから、14年の月日が流れた。
私は今日も朝から、お店の前に花を並べている。
ずっとひとり。恋はしていない。
あれからずっと、ロシーの帰りを待ち続けている
と、胸を張って言いたいところだけど
14年間音沙汰のない人を
心から信じて待ち続けられるほど
もう純粋ではない。
それでも
他の誰かと一緒になるなんて、私には出来なかった。
バケツに入った色とりどりのアネモネの花が
私に笑いかけるように咲き誇る。
春がきて、この花が店先に並ぶと
ロシー
どうしても、あなたの顔が浮かぶよ。
頭ではわかっていても
心のどこかで、あなたを諦めきれないの。
変わらず、笑っているかな。
あなたがどうしても助けたいと言っていた
あの少年は、元気になった?
海軍で頑張っているの?
それとも、どこかの海を旅してる?
今あなたに会えたら
話したいことがたくさんあるよ。
あの頃
あなたは私の人生の全てだった。
でも、私はなんとなく気付いていた。
あなたはいつか、私の前からいなくなるって。
でも、だからこそ
あなたと過ごす時間は尊くて、大切で、幸せ。
その幸せは永遠ではなくても
この思い出は私の中で永遠に輝く。
今も。これからも。
あなたを愛して、あなたに愛されて
私は本当に幸せだった。