この男、恋愛下手につき/ドレーク
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「ドレークが、そういうことは苦手なの、わかってるよ。でも…いくら私でもいい加減寂しくなっちゃって……」
「すまない。その…船の上じゃ仲間の気配もあるし、そういうことは……」
「時々すごく不安になるの。ドレークはちゃんと私を好きなのかなって。」
「……それはその…キ…スをすれば、不安は取り除けるのか?」
「わからないけど…ちゃんと好きと言ってくれたこともないし……確信が欲しかったの。ドレークの気持ちを知りたい。安心したいの。」
「………。」
それ以上ドレークは話さなくなって
波の音だけが2人の間に響く。
私、またこの人を困らせてる。
不安になって顔を見上げると、ドレークは私の肩に両手を置いて真っ直ぐに見つめた。
「愛している。」
予想だにしなかった突然のその一言に
私の思考は一瞬停止した。
「ミドリ?おれは君を愛している。」
私の反応がないので、聞こえていないと思ったのか
ドレークはさらに顔を近付けてきた。
「ミドリ。愛し——」
「聞こえてるよ!」
3度目はさすがに恥ずかしくて、それを誤魔化すように彼のお腹に抱きついた。
恋愛下手のクセに、ずるい男。
熱くなった顔を押し付けると、ドレークは私の背中に手を回し、大きな体を折り曲げるようにして
私は初めて、抱き締められた。
その力強い腕によって、初めての感覚に包まれる。
いつか、潰してしまいそう、とこの人は言っていたけど、そんな心配もないくらい、優しい温もりだった。
「あの時、ちゃんと答えていなかったな。」
耳元で響く声もまた新鮮で、ドクンと跳ねる心臓。
それを気付かれないように平静を装う。
「……あの時?」
「どうしてお前を連れてきたか。」
「それ、かなり前に聞いたやつ。」
「あァ、1年前だな。」
お互いに苦笑が漏れたあと、顔を上げて見上げるとドレークも優しい目で私を見つめ、その答えをくれた。
「お前なしで生きていくなんて、考えられなかったんだ。」
言い終わるや否や、彼の顔が近付いてきて
軽く触れるだけの口付けをくれた。
それはほんの一瞬で、目を閉じるのも忘れた。
気付けばドレークの真っ赤な顔が目の前にあって、そのままポカンと彼を見つめていれば
「……これが限界だ。」
そう言ってドレークは、膝を立ててその場に座り込み、足元に向かって息を吐いた。