最終章 〜奏でる〜
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01部隊が海へ出た後
基地の中はその話題で溢れていた。
「スモーカー中将がずっと追ってた麦わらのルフィが2年ぶりに現れたらしいな。」
「懸賞金4億だってよ。」
「中将でも無事で済むかどうか。」
「おれたちは祈ってるしかねェな。」
改めて、スモーカーさんをはじめ
たしぎさんや他の兵士の皆が
海の向こうでとんでもない悪党を相手に
毎日戦い続けているんだと実感した。
私に出来ることといえば
皆の悲報の通信が入らないよう
無事で帰ってきてくれるよう
祈ることだけだった。
「今通信があった!01部隊はパンクハザードへ入ったってよ!!」
「パンクハザード!?」
「例の島か!2年前の!!」
「なんでまたそんな場所へ?」
「わからねェが、ヴェルゴ基地長が後を追ったみてェだ。」
「基地長が?」
「どうしてまた…」
数日が経って、基地の中は騒然としていた。
スモーカーさん達の居場所を聞いて
基地長がそこへ向かったから。
わざわざ基地長が向かうほどの何かが起きている。
この異常な事態に、連絡を待つ基地の皆も
しばらく落ち着かない毎日が続いた。
「ミドリちゃん。」
ふいにロイス先生に呼び止められる。
先生に声をかけられるのは久しぶりだった。
「スモーカー中将もたしぎ大佐もいなくて寂しそうだな。不安なんじゃないか?」
正直、すごく寂しい。
心細いし、つまらないし、早く2人に会いたい。
それでも
——心配すんじゃねェ。今回はちゃんと帰ってくる。
あのスモーカーさんの言葉があったから
不思議と不安な気持ちはなかった。
私にできることは
ただ信じて待つことだけ。
『大丈夫です
絶対に無事に帰ってくるから』
力強くそう書いて見せると
ロイス先生は俯いて笑った。
「中将がいない間に、寂しがる君の心に付け入ろうとしたけど、無理みたいだな。」
悪かった、と言って先生は去っていった。
確かに、私は強くなった。
何もなかったあの頃に比べたら
スモーカーさんと出会って、海軍に入って
信頼できる人たちに囲まれて
自分を好きになることができたから。
スモーカーさんが帰ってきたら
確認したいことがある。
あの時、私にキスしようとしたの?
どうして?って。
スモーカーさんの気持ちが知りたい。
そして、忘れることができない私の気持ちも
もう一度スモーカーさんに伝えたい。