第四章 〜動き出す〜
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「ミドリがいるかもって言ったのに、報告書が先だとか言って、部屋に行っちゃったんです。」
そうか。
すぐにでも会いたかったけど、仕事なら仕方ない。
でも、同じ場所にいる。
今は何だかそれだけで胸がいっぱいだ。
「久しぶりだから、照れてるだけよ、きっと。」
たしぎさんはそう言ってイタズラな笑顔をした。
スモーカーさんらしい。
会いたい。
「……ミドリ、もしかしてあなた、まだスモーカーさんのこと…?」
顔がバッと熱くなり、両手でそれを隠した。
その反応で、返事をするまでもなく
たしぎさんには全て伝わってしまったようだ。
「2年も放ったらかしにされてたのに、あんな男のことをまだ……一途なんだから〜!」
たしぎさんはなぜか涙ぐみながら
もう一度抱き締めてくれた。
「じゃあ、仕事終わったら声かけてね。あの人の部屋、連れてってあげますから。」
そう残して私を離すと、食堂を後にした。
もうすぐスモーカーさんに会える。
2年ぶり。
何を話せばいいだろう。
言いたいことはたくさんある。
元気にしてましたか?
昇進おめでとうございます。
頂上戦争のときは、本当に心配してました。
無事で良かったです。
これからもよろしくお願いします。
思いつくのはなんだか事務的な言葉ばかり。
本当に一番伝えたいことは
2年前から決まってる。
あなたが好きです。
次に会えたら絶対伝えたいと思っていた。
でも、再会したばかりで
まだそんな勇気は出せない。
それに
自分の言葉で、声で伝えたい。
その願いは、まだまだ叶えられそうにない。