きっと愛だった/アーロン
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〜きっと愛だった〜
フィッシャー・タイガー率いる
タイヨウの海賊団は
長い航海の途中、ある島に上陸していた。
「オイ、魚人だ……」
「初めて見た。」
「でかいな…」
「珍しいな、こんな島に海賊なんて。」
時間は夕刻。
アーロンを筆頭に
クロオビ、チュウ、はっちゃんの4人は
酒と夕食を求め町中を歩いていた。
ごく小さな島の、ごく小さな町で
魚人たちの姿はあまりにも目立つ。
いつものように自分たちに向けられる
人間たちからの視線を鬱陶しいと思いつつも
今は空腹を満たしたい。
しかし歩いても歩いても
飲食店らしきものは見当たらなかった。
「飯屋の一軒もねェのか。この町にはよォ。」
「お頭たちは食材買い込んで船で酒盛りだそうで。
おれらも戻りますか?アーロンさん。」
「……仕方ねェ。さっき酒屋があったな。
酒だけ買って戻るか。」
踵を返し、来た道を戻ろうとすると
ふいにひとりの少女が彼らに駆け寄り声をかけた。
「あなたたち魚人ね!初めて見た!」
この島で初めて彼らに声をかけた人間だった。
なんだこの女は。
理由もなく自分たちを恐れ
ビクビクしている人間どももムカつくが
まるで友達にでも声をかけるかのように
馴れ馴れしくしてくる奴にも腹が立つ。
アーロンはギロリと女を睨む。
——が、
「お腹空いてないですか?
よかったらうちの店で食べていってください。」
女のその一言にアーロンは不意をつかれた。
「ほォ。飯屋があるのか。」
「はい。もう少し行った、町の外れに。
案内しますね。」
女の思惑通りに着いていくのは癪だった。
でも久しぶりの地上。
船の上ではなく
今夜は陸で食事をしたい気分だったので
彼らは渋々女の店へ行くことにした。
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