第一章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おう、どうした。」
「お前、あの子と仲良いのか?
何つったっけ…名前。」
サッチはひとり佇むミドリの方へ目配せをした。
おれが一緒にいるところを見たのか。
「ミドリだ。まだ仲良くはなれてねェ。」
「でも何か話してたろ。頭撫でてたし。」
何やらニヤニヤと不敵な笑みを浮かべて
サッチは楽しそうだった。
そこまで見られていたことに
急におれは罰が悪くなって、頭を掻く。
「ずっとああやって塞ぎ込んでんだよ。
せっかくこの船に来たんだし
もっと楽しそうにしてほしいだろ。」
「まァ、それもそうだな。
エースがここに来たばかりの頃を思い出すぜ。」
「うるせ。」
いつものように小突き合いながら
2人で船内へ入った。
「じゃあお前、ミドリに言っといてくれよ。
ちゃんと飯食いに来いって。」
「あいつ食ってねェのか?」
「まァ、来る日もあったり、なかったりだ。
ナース達も昼休憩に誘ってるらしいが
断られるんだってよ。」
「……そうなのか。」
「食欲がわかねェのもわかるが…コックとしては
ちゃんと食ってもらいてェからよ。」
「わかった。伝えとく。」
「おう。よろしく。」
ーーーーーーー
次の日。
オヤジに用事があり、おれは船長室を訪れた。
「オヤジ、入るぞ。」
ドアを開けて中に入ると
ナースたちがオヤジの点滴の交換に訪れていた。
「エースか。待ってろ。」
もちろん、その中にはミドリもいて
オヤジの腕に針を刺していた。
この船へ来たばかりなのに
大した仕事を任されているもんだと感心した。
「少しいてェな、ミドリ。練習が足りねェな。」
言いながら楽しそうに笑うオヤジを前に
ミドリは後処理をしながら頭を下げていた。
「すみませんっ、まだ慣れていなくて…
ちゃんと練習します。」
「あァ。」
一通り処置を終えると
ナースたちは部屋を出て行く。
横を通り過ぎるとき
ミドリがおれに軽く頭を下げたので
おれも手を上げる程度の挨拶を交わした。