最終章
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ねぇ、エース。
私はずっと後悔しているよ。
あの時
どんなにあなたを困らせたとしても
もっと子どものように泣いて喚いて
「行かないで」って、止めるべきだったんだ。
そうしたところで
あなたが止まってくれたかはわからないけど。
そうしていたら、もしかしたら
今とは違う未来があったのかもしれないと
悔やんでも悔やみきれないよ。
ーーーーーーー
私たちナースは、クルーの皆が頂上戦争へ向かう前
安全な島で船を降ろされていた。
オヤジさんの命令だった。
エースを無事取り戻したらまた迎えに来るという
オヤジさんの言葉を信じて待っていた。
でも、後日そこへやってきたのは
白ひげ海賊団の皆ではなく
知りたくもない真実を載せた新聞を運んでくる
ニュースクーだけだった。
海軍勝利
白ひげ・火拳のエース 死亡
目を覆いたくなる文字が並んだ新聞を前に
私たちは泣き叫んだ。
私は
この世で一番大事な人を亡くした。
泣いても泣いても
枯れることのない涙が
次から次へと溢れ出て止まらない。
現実を受け止めることができなくて
目を閉じれば、あの笑顔が浮かんで
手を伸ばしそうになってしまう。
あの熱くて硬い掌
私を優しく包み込む腕
クセのある髪の毛
今にも聞こえてきそうなあの笑い声
全身でエースを求めている。
忘れようとすればするほど
身体に染み付いた彼の温もりがそうさせてくれない。
会いたい。
会いたいよ、エース。
そばに来て、もう一度抱き締めてよ。
まだ見ぬ未来が、私たちを待っていたのに。
ぽっかりと大きな穴が空いた心。
ダルい身体。
つまらない毎日。
容赦なくやってくる明日。
生きているのが苦しかった。
悲しくても、苦しくても
それでもなんとか生きていられたのは
きっと後を追ったりしたら
彼が怒るだろうと思ったから。
ふと鏡に映った自分の顔。
今にも泣き出しそうな、やつれた表情。
——お前は笑顔が一番だ。
いつかのエースの言葉が頭をよぎる。
「まだまだ笑えそうにないよ…」
そんな気だるい毎日を過ごしている私の所へ
ある日急に現れたのは、マルコさんだった。
私はマルコさんに誘われて
エースのお墓参りに行くことになった。