第五章
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「……で、お前、ミドリとはどうなんだ?」
唐突にミドリの名前を出されて
体がビクッと揺れた。
「な、なんだよ急に。どういう意味だ。」
「どう見てもお前らいい雰囲気だろ。
昨日だって2人で島から帰ってきたりよ。
おれが知らねェとでも思ってんのか!」
サッチは悔しそうに
グリグリと肘でおれの頭をど突く。
「いてェいてェ!
あれはミドリが迷子になったっつーから
迎えに行っただけだよ。」
「本当かァ?」
「うるせェな。嘘なんか吐かねェ。」
「……まぁそうだな。ミドリは可愛いが
なんつーか、他のナース達に比べたら
まだまだお子様だしな。」
「あ?何言ってやがんだ!ミドリが一番っ…
あ、いや、なんでもねェ。」
「……わかりやすいヤツだぜ。惚れてんだろ。」
「そんなんじゃねェよ。うるせェな。」
サッチが面倒くせェ。
なんとか違う話題に逸れせないかと考えていると
いいタイミングでマルコがやってきた。
「なァなァ聞いたか?
今夜何とか流星群てのが見られるらしいよい。」
「あ?何だそりゃ。」
「星だよ。おれも見たことはねェけど
天気が良けりゃ深夜から朝方にかけて
流れ星の大群が見られるんだってよい。」
「流れ星?」
普段のマルコからはおよそ似つかわしくない話題に
おれは笑ってしまった。
が、隣のサッチは意外なことに乗り気だった。
「面白そうだな!寝ないで見てみるか!」
「いい歳した男が星を見るために
わざわざ起きてろってのかよ。」
「エースもちょっとは見てみたいだろうよい。」
「……まァ気にはなるな。」
結局流されて、今夜その流星群を見ることになり
深夜に起こし合う約束をして
サッチとマルコはいなくなった。
おれはサッチに言われたことが気になり
甲板でミドリを待つことをやめ船内へと戻る。
ミドリとのことが
クルー達にバレたら面倒臭ェ。
せっかく恋仲になれたのに
気軽に2人でいることもできねェのか。
「何か難しい顔してる。」
「ミドリ!?」
考え事をしながら廊下を歩いていると
急に現れたミドリに顔を覗かれ
おれは思わず後ずさった。
「どうしたの?そんなに驚いて。変なエース。」
おれの様子を見て楽しそうに笑うミドリ。
あァ、おれは本当にこいつと恋仲に……
おれの視線に気付き、ミドリも黙り込んだ。
「あの、なんつーか……照れんな。」
「うん…そうだね、少し。」
昨日の今日でおれもミドリも
お互いにどうしたって意識してしまう。