第一章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「よう。」
余計なことかとは思ったが
声をかけずにいられなかった。
少し間隔を空けて、隣に腰掛ける。
ミドリはおれの顔を見ると
ぺこりと頭を下げた。
オヤジの好みなのか、ここのナースたちは皆
派手な化粧が似合う美人揃いだが
ミドリはそれとは少し違う
あどけなさの残る、可愛らしい顔をしていた。
「ミドリだったか。おれはエースだ。
2番隊の隊長をやってる。」
「隊長さん?……よろしくお願いします。」
なぜ隊長なんかが自分に声をかけるのか
不思議だったんだろう。
ミドリは少し驚いた表情をして、また頭を下げた。
「少しは慣れたか?」
「いえ、まだあまり…」
「船上生活なんて初めてなんだろ?
仕方ねェよ。そのうち慣れる。」
「はい……」
なるほど。
こりゃナース達が文句を言いたくなるのもわかる。
目を合わそうともしないし
話を盛り上げる気もなさそうだ。
この船のヤツらには
心を開かないつもりなのか。
「あの…もう休憩終わるので、失礼します。」
「おう。」
よほど居心地が悪かったのか
逃げるように離れてしまった。
孤独で、全てに絶望している、愛想のない女。
本当に、あの頃のおれを見ているようだ。
いや、オヤジの命を狙わないだけ
ミドリの方がまだマシか。
苦笑が漏れた。
せっかく船の一員になったんだ。
なんとかミドリにとって
ここを居心地のいい場所にしてやりたい。
おれが仲間達にそうしてもらったように。