第三章
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—side ミドリ—
仕事を終え、オヤジさんの薬の片付けをしながら
自然と頬がゆるんだ。
なぜかって、久しぶりに好きな人に会えたから。
好きな人と言っても、この気持ちを自覚したのは
離れて会えないでいる間のことで
気持ちに気付いてから初めて顔を見て
やっぱり好きだと確認した。
前はそんなことなかったのに
恋に気付いてしまったら
目を見て、話をするだけですごく緊張した。
変な言葉を口走ってしまったのも、緊張のせい。
——エースが一番好きだけど
思い出すだけで、顔から火が出そう。
うまく誤魔化せたとは思うけど。
そしてやっぱり
エースと過ごすのはとても楽しく尊い時間だった。
恋と一緒に生まれてしまったのは、下心。
もっと一緒にいたい。
エースのことをもっと知りたい。
色々な話をしたい。
どんどん欲張りになってしまう私の気持ち。
それとは裏腹に、きっとエースは
恋愛なんて全く興味ないだろう。
仲間たちと一緒に旅をして、冒険をして
命を張って生きていて
恋愛になんて目が向かないほど
十分満たされている毎日を送っているはず。
完全に、一方的な私の片思い。
可能性はほぼゼロ。
それでも私と同じ気持ちになってくれたら嬉しいと
思ってしまう。
焦る気持ちを抑え
今はそばにいられることに感謝して
少しでも彼に近付けるようになりたい。
そういえば、エース
最後に何か言いかけてた。
きっと今日はまた夜の宴で会える。
その時にちゃんと聞いてみよう。