プロローグ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
precious 〜プロローグ〜
「今日までこんな
どうしようもねェおれを…」
痛みはもう、何も感じない。
「鬼の血を引く、このおれを……」
最愛の弟に抱かれながら
意識が遠のいていくのがわかる。
「愛してくれて、ありがとう。」
最後の言葉を告げた瞬間
視界が真っ暗になった。
全身の力が抜けて
もう声も出せない。
本音を言えば
もっとあいつに伝えたかった。
おれがどれだけ、おまえを愛していたかを。
触れて
口付けをして
抱き締めて。
こんなことになっちまって
怒っているんだろうな。
おまえをまた、ひとりにしてしまうおれを
許してくれ。
頼むから、どうか悲しまないで
笑っていてくれ。
さよならだ、ミドリ。
時々でいい
おれを思い出してくれたら嬉しい。
おまえならおれのいない世の中でも
生きる喜びを見つけられるはずだ。
先に逝くけどな
もしも、生まれ変わることができるなら
おれはまた
おまえを愛し、おまえに愛されたい。
あの宝物のような日々をもう一度、2人で…
1/1ページ