最終章 〜別れとはじまり〜
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それは嘘からはじまる 最終章
〜別れとはじまり〜
「私の恋人になってください!」
ミドリからこの話を持ちかけられた時
ちょうどいい、と、そう思った。
もう、家族を作る気はなかった。
大切な存在は、失ったときが辛いから。
もうあんな思いをするのは、正直勘弁だ。
そのくせ、孤独は柄にもなく寂しいと思う。
だからミドリのこの提案は
俺にとってちょうどよかった。
家族ではないが、そばにいる。
偽りの関係でも、なんでもいい。
最初は、特別な感情なんか持つ気はなかった。
それが、ミドリと過ごしていて
自分でも気付かないうちに変化していった。
恋人の練習だとか、ほんの遊びのつもりで
やり始めたのがいけなかったんだと思う。
ミドリに触れると体が熱くなり
次第にそばにいるだけで
ドキドキとうるさくなる鼓動を抑えられなくなった。
もっと触りてェ。
そう思って止められない。
恋人役という特権を利用して抱き締めた彼女が
愛しくて愛しくてもう離せない。
ミドリも、俺を好きだと言った。
大切な存在を作る気はなかったのに
俺の中で彼女は
いつの間にか家族以上のものになっちまった。