第七章 〜彼の涙と告白〜
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次の日。
マルコさんは私を背中に乗せて空を飛び
海を超えて近くの島へとやってきた。
「またマルコさんに乗って空を飛べるとは思っていませんでした。」
「船を出しても良かったんだが、この方が速いからな。」
周りを大きな森に囲まれたその島は
真ん中に広い丘があり
その頂上に、青い空を背景に立派なお墓が
立てられていた。
「これが……」
エドワード・ニューゲート
ポートガス・D・エース
2人の名前が書かれたお墓が並んでいる。
「ニューゲートがオヤジ、エースはうちの2番隊の隊長だった。」
マルコさんはそれぞれのお墓の前に
お酒を1本ずつ置くと真ん中にあぐらをかいて座った。
「……マルコさんの、家族だったんですね。」
私は持ってきた花の束を2つに分け
マルコさんが置いたお酒の横にそれぞれ置くと
彼の隣に座り、目を閉じて手を合わせる。
白ひげの親父さんに、エースさん。
私は会ったこともないけれど
マルコさんの大切な人。
マルコさんがこんな小娘を急に連れてきて
どう思うだろう。
気に入ってもらえたら嬉しいけど。
目を開けて隣を見ると
お墓を見上げるマルコさんの目尻から
一筋の涙が流れた。
2人を思い出しているんだ。
すごく綺麗な涙。
たまらなく愛おしい気持ちになる。
少し空いた2人の距離を詰めるように
そっと寄り添い、その大きな背中を撫でる。
マルコさんは一度横目で私の方を見て微笑むと
またお墓を見上げた。
長い時間をかけて
私にはとても想像できないような冒険を
2人とともにしてきたんだろう。
それこそ毎日が命懸けで。
でも、だからこそ毎日が輝いて
かけがえのないものだったに違いない。
この人たちのおかげで、今のマルコさんがあるんだ。
「……格好悪いところを見せちまったな。」
しばらくして、マルコさんが眼鏡を外し
人差し指と親指で目頭をおさえ、涙をぬぐった。
「格好悪くなんか…ないです。」
こんな気持ちは初めて。
男の人を愛おしく感じて
こんなにも抱き締めたいと思うなんて。