第六章 〜初デートと酔っぱらい〜
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服を褒めてもらえなかったことを忘れるくらい
その後はとても楽しかった。
マルコさんはお腹が減っていたようで
屋台で売っていたほとんどの種類を食べつくし
今はデザートにカキ氷を食べ終わったところだ。
「あァ食った。なかなか楽しいな、祭り。」
満足そうな彼を見て、私も笑顔になる。
「腹ごなしに少し歩きますか?」
「あぁ、そうだな。」
気付けば辺りは暗くなっていて
お祭りが開かれている広場にだけ明かりが灯っている。
隣を歩きながら、ふと考えた。
デートなんだから
手くらい繋いでもいいのだろうか。
一番初めはマルコさんから「練習」と言って繋いでくれた。
その次は、女の子たちに嫉妬した私から繋いだ。
それ以来、手は繋いでいない。
本物の恋人同士って
どうやって繋いでいるんだろう。
どちらからか「手を繋ごう」って言うの?
それとも許可なく握っていいものなの?
いい歳して恋愛初心者な自分に嫌気が差してくる頃
突然、右手が大きな温もりに包まれた。
「……最近繋いでなかったな。」
私の考えを読まれていたのでは、と思うほどの
タイミングでマルコさんの方から繋いでくれた。
「そうですね…」
久しぶりのマルコさんの手の温もりに
全身が熱くなって彼の顔を見られない。
私ばっかりこんなにドキドキさせられて
きっとマルコさんは涼しい顔をして歩いていることだろう。
「お。」
そんなマルコさんが急に立ち止まった。
「酒があるのか。」
目線の先にはお酒を売っている屋台。
「村ではお酒は貴重ですけど、お祭りの時には飲めるんですよ。」
「久しぶりだ。ミドリは?」
「私はいいです。」
お酒を買ったマルコさんと近くのベンチに座った。
結局繋いだ手はすぐに離すことになったけど
お酒を飲めて嬉しそうなマルコさんに
私も嬉しくなる。
「いい村だな。」
ぽつりとマルコさんが言った。
「俺はこの村が好きだよい。」
「私もです。」
2人の間にゆったりとした空気が流れる。