第六章 〜初デートと酔っぱらい〜
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それは嘘からはじまる 第六章
〜初デートと酔っ払い〜
島に来た海賊の一件で
私はマルコさんとの距離を感じ
このまま恋人のフリをお願いしていてもいいのか、悩んでいる。
「あなたたち、うまくいってるの?」
いつも通り、マルコさんがうちへ往診に来ると
唐突におばあちゃんがマルコさんに聞いた。
「ちょ、ちょっとおばあちゃんっ——」
「当たり前だろばあちゃん。仲良くさせてもらってるよい。」
焦る私とは裏腹に
笑顔でスマートに対応するマルコさん。
「ミドリはこれで頑固なところもあるし、マルコちゃんが嫌気がさしてくる頃じゃないかと思って。」
「俺の方がベタ惚れなんだ。そんなことあるわけないだろ。」
あぁ。
こんなすごい人に気を使わせて
こんなことを言わせてしまって。
片想いしている私にとって
この関係はとても幸せなことなんだろうけど
マルコさんにとっては迷惑でしかないのに。
「……無理に褒めなくていいんですよ?」
診察後、玄関まで見送りながら
おばあちゃんに聞こえないように小さく呟く。
「何の話だ?」
「さっきの…」
「別に無理なんてしてねェよい。それに言ったろ?これは俺も楽しんでやってるから。あまり気にするな。」
「はい……」
玄関を出たところでマルコさんが立ち止まり
振り返る。
「明日祭りがあるんだってな。ばあちゃんから聞いた。」
「お祭り?あ、そうか。」
毎年村で夏に開かれているお祭り。
確かにそろそろ開催される時期だ。
最近は診療所の手伝いで忙しくて
すっかり忘れていた。
「……明日、往診早めに終わらせて行くか。」
目を逸らし、耳の後ろをぽりぽりと掻きながら
独り言のようにマルコさんが呟いた。
「え?一緒にですか?」
「嫌かよい。」
「いえ、そういうわけじゃ…」
「一応デートに誘ってるつもりなんだが。」
「デート!」