第五章 〜初恋と2人の距離〜
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洞窟を抜け、滝の裏から海岸へ出ると
まず目に入ったのは剣や銃を持った男たちが大勢。
そして怪我をして血を流し、地面に倒れている漁師のおじさん達。
「みんな!!」
離れてろと言われたことなどすっかり忘れ
思わず私は怪我をしたおじさんの元へ駆け寄る。
「どういうことだ?滝の裏から人が出てきやがった。」
「街があるんだろ。立ち向かってくるから怪しいと思ったら、それを必死に隠してやがったんだな。」
言いながら海賊は倒れた漁師さんに蹴りを入れる。
「ゔっ……」
「そのくらいにしておけ。」
マルコさんが前に出る。
今までに聞いたことのないような低い声。
こんなに怒っているところは初めて見た。
マルコさんを確認するや否や
海賊たちは急に表情を変え、ジリジリと後退りをした。
「なっ…まさかっ……」
「あの白ひげんとこの!?」
「この島にはお前らが欲しがるようなもんは何もねェよい。俺も手荒な真似はしたくねェ。出ていきな。」
「う、うるせェ!!」
パァン——
ひとりの海賊がマルコさんの頭に向かって銃を突きつけたかと思えば、間髪入れずに銃声が鳴り響く。
「マルコさん!!!」
思わず私が叫ぶと
打たれたはずのマルコさんは私に向かって
笑みを浮かべた。
「何ともねェよい。」
額の打たれた箇所が蒼白い炎を燃やし
すぐに元通りのマルコさんの肌が再生された。
不死鳥って、銃も効かないんだ。
「クソッ……なぜ白ひげんとこの隊長がこんなところにいるんだよ!!」
「元だよい。今はただの村医者だ。」
「不死鳥のマルコか。」
奥から大きな男が出てくる。
どうやらこの海賊たちの船長のようだ。
「何か奪える物があるかと寄っただけだ。こんな所で元四皇のクルーなんかとやり合う気はない。野郎ども!ずらがるぞ!」
「物分かりのいい船長で助かるよい。」
結局海賊たちはそのまま船を出した。