第五章 〜初恋と2人の距離〜
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「マルコ!!いるか!?」
診療を終え、マルコさんと2人で遅い昼食をとっていると、焦っている様子で漁師のおじさんが診療所へと飛び込んできた。
その様子に、ただならぬ空気を察して
さっきまで笑って話していたマルコさんは急に真面目な顔つきになり、席を立つ。
「どうした!?」
「海賊だ!!」
「海賊!?」
「漁から戻ったら、西の海岸に上陸してたんだ!今仲間の漁師達が食い止めてるが、村への入口が見つかるのも時間の問題だ!手を貸してくれ!」
「わかった!すぐに行く!」
海賊。
そう聞いた途端、マルコさんの顔付きが変わった。
前にマルコさんから聞いた話が私の頭をよぎる。
——今、オヤジの実の息子を名乗る海賊が、白ひげに関係ある人たちを襲ってる。ここが狙われるのも時間の問題だ。
まさか……
白衣を脱ぎ、診療所を出るマルコさんに次いで
いつも往診の時に持ち歩く医療道具が入った鞄を手に、私も外へ出た。
「ミドリは待ってろ!」
西の海岸へ向かう2人の後を追うと
それに気付いたマルコさんが振り返る。
「私も行きます!漁師さん達、怪我しているかも!」
それは私が行った所で、簡単な怪我の応急処置くらいしかできないけど
事件が起こっているのにのんびり待っているだけなんてできない。
私の意志を汲み取ってくれたのか
マルコさんは力強く頷いた。
「海岸に着いたらなるべく離れてろ。」
「はい!」