第四章 〜不死鳥と名前〜
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「ごめんなさいっ…私、迷惑かけちゃって……」
「迷惑なんてことねェが、とりあえず診療所で手当てだ。」
「はい。すみません……」
「掴まれるか?」
マルコさんは私に背中を向けて座り込み
おんぶをする体制になる。
私は恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいになりながらも、自分では動けないわけだから
仕方なく背中におぶさり、マルコさんの首に腕を回す。
「ごめんなさい…重いのに……」
「なんてことねェ。」
言いながらマルコさんは立ち上がる。
「このまま歩いて山を降りるんですか?」
「そんなことしねェよい。俺がどうやってここへ来たのか見てなかったのか?」
「…あの……意識が朦朧としていて……」
「なら驚かないでくれ。」
マルコさんの全身が蒼白い炎に包まれた。
「うわっ!」
姿が大きな鳥へと変わると
そのまま空へと飛び上がる。
重力を感じながら
必死でマルコさんの首にしがみついた。
回らない頭で考えた。
やっぱりあの時見た、蒼白く燃える綺麗な鳥は
マルコさんだったんだ。
「マルコさんて、本当に″不死鳥″だったんですね。」
「なるべくこの島では飛ばないつもりだったんだがな。今回は特例だ。」
「すみません……」
「気にするなよい。」
私のドジのせいで
マルコさんに能力を使わせてしまった。
でも……
「すごく気持ちいいですね。」
「そりゃ良かった。」
全てをマルコさんに委ねて
このまま空の旅を楽しみたかったけど
助けられた安心感と
マルコさんの体温が心地良いせいか、
急に眠気が襲ってきて、そのまま意識を手放すように眠りについた。