プロローグ
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それは嘘からはじまる
〜プロローグ〜
——新世界のとある島。
島の真ん中には
頂上が見えないほどの大きな山がそびえ立つ。
この島の端。
入り江の滝の裏にある洞窟を抜けた先にあるのが
私の住む村「スフィンクス」
中心の大きな山に寄り添うように
ひっそりと人々が生活している。
この村には昔から「スフィンクス」という
人面を持った大きなライオンのような動物が多くいる。村の名前の由来だ。
このスフィンクスは見た目とは裏腹に
とても穏やかな性格で人懐こく
人々と生活を供にしている。
自給自足の生活。
決して豊かではないけれど
一切争いのない、穏やかな村だった。
「おばあちゃん、お隣さんで野菜とお肉を交換してもらえたの。今日は久しぶりにお肉が食べられるよ!」
お肉が入った袋を手に家に帰ると
おばあちゃんは縫い物をしていた。
「あたしはいいから、ミドリが食べなさい。」
「大丈夫!たくさんあるから!食べやすいように柔らかく煮ようね。」
私はこの村で
おばあちゃんと2人暮らしをしている。
25年前洞窟に捨てられていた、まだ赤子だった私を
おばあちゃんが拾って育ててくれた。
「体調はどう?」
「今日はだいぶ良いよ。家のこと、全部あんたにやらせちゃって悪いわね。」
「いいんだよ!おばあちゃんはゆっくりしてて。ご飯の前にお散歩でも行こう。」
「そうね。」
持病のせいか、歳のせいか
おばあちゃんは最近体調があまり良くない。
不安なことはあるけれど
優しくて、時に厳しいおばあちゃんと
親切な村の人達
そして村を練り歩くスフィンクス達に囲まれながら
平和な毎日を送っていた。
そんな中、この村にひと月ほど前
ひとりの男が現れた。
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