第五章
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結局断り切れず、2人で街へ来て
レストランに入ってしまった。
「昨日この店見つけてうまそうだと思ったんだけど定休日でよ。俺が奢ってやるってんだ。ありがたく食え。」
「いただきます。」
入ったのは肉料理のお店。
目の前にキッドが注文した料理が並ぶ。
さっきお昼を済ませたばかりだし、食欲はないけど、断ると怒られそうなので少し食べることにした。
「うわぁ…おいしい!」
その美味しさに思わず2口、3口と食が進む。
「お前、昼飯食ったんじゃねェのかよ。」
「うるさいなぁ。キッドが食べろって言ったんでしょ!」
自分でも驚くほどの食欲をバカにされたけど、そんなことはどうでもよくなるほど、本当に美味しい料理だった。
「本当、美味しいね、キッド。連れてきてくれてありがとう。」
そう言いながら顔を上げれば
頬杖をつきながら、またあの優しい笑みを浮かべて私を見ていた。
ヤバイ。この顔は見てはいけない顔だ。
しかも今回は真正面から。
私はすぐに下を向く。
キッドも肉を頬張り始めた。
「昨日買いそびれたもんとかないのかよ。せっかく来たから付き合ってやるよ。」
そう言われて思い出す。
「あ!ドラッグストアに行きたいんだけど、昨日は全然見つからなかったの。」
「それであんな人通りのない道に入ったのか。」
「……もうあそこには二度と行きません。」
「まぁ俺たちが全滅させたから大丈夫だろうが。とりあえずこれ食ったら探すか。」
…やっぱり。
なんだか今日のキッドはやけに優しい。
あの自分勝手で人に振り回されるのが大嫌いな男が、私の買い物に2日も連続で付き合ってくれるなんて。
昨日私をひとりにした責任を感じているんだろうか?
キッドは何も悪くないし、むしろ私の命の恩人なのに。
さっきの優しい笑顔とか。
こうやって優しくされてしまうと
どうしたって意識してしまうじゃないか。