第一章 〜元奴隷の女〜
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街から続く小さな林を抜けると
島の反対側へ出る。
海岸には乗ってきた船が停泊していた。
その横に一軒の平屋があった。
ここがきっと2人のアジトなのだろう。
そのまま中へとついていく。
「ここを使え。」
通された部屋は、私が今まで捕まっていた部屋の4倍くらいの広さがあって
大きな窓もあり、ちゃんとベッドもある。
テーブルにクローゼットも。
「あの…私の部屋ですか?」
「不服か?」
「そんな!そういう意味じゃないんです!あの……私には使えません!こんな素敵な部屋。」
「この埃だらけの部屋が?」
男はクハハハと笑った。
何がおかしいんだかさっぱりわからない。
こっちは真剣なのに。
「まず名を聞こう。」
男は2つの紙袋をクローゼットの前に置いた。
「ミドリです。」
「おれはクロコダイルだ。好きに呼べ。」
「クロコダイルさん…」
「ミドリ、今日からここがてめぇの部屋だ。好きに使え。」
ドスっとベッドに腰掛けたクロコダイルさんを見て
私は奴隷としての仕事を思い出す。
待たせてはいけない。
怒られる。
急いでパンプスを脱いでベッドに乗り
ワンピースを脱いで下着姿になった。
「……てめェ何してやがる。」
クロコダイルさんは眉をひそめた。
あれ?怒らせてしまった…?
でも間違っていないはず…
「あの…全部脱ぎますか?それとも脱がせてくださいますか?」
クロコダイルさんは
肩に掛けていたファー付きの上着を剥ぎ取った。
来る。
私は身体を強張らせる。
その瞬間
フワッと葉巻きの香り。
気付けばクロコダイルさんの上着が
私を包んでいた。