陽のあたる場所へ 〜side story〜
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陽のあたる場所へ 〜side story〜
「なんだこいつら!!」
「なんで七武海がこんなところに!!」
なぜこんなに張り合いのねぇ奴らがこの海にいやがるのか。
船長は少しは骨があったが、そいつをやられた途端一気にまとまりがなくなって
俺とダズのたった2人にこのザマ。
これでよくここまで生き残ってたもんだ。
「口ほどにもねぇ。」
「金目のものはありそうか?さっさと奪ってアジトへ戻るぜ。」
「へい。」
こんな名もない雑魚海賊が、生意気にもずいぶんと立派な船に乗ってたもんだ。
船を見回していると小さな視線を感じ、
ダズによって斬られた壁に隠れるように
小さくなっている女を見つけた。
恐怖を浮かべた瞳で俺を見る。
その身なりを見れば、女のこの船での立場はすぐに見当が付く。
「……てめぇは…奴隷か?」
「……はい…」
「悪趣味な奴らだな…」
鉤爪で顎を上げて顔をよく見れば
手足をガタガタと震わせる。
でも
真っ直ぐに俺を見る視線を外さない。
——どうせ殺すなら早く殺せ
そういった想いが、その瞳から見て取れた。
この歳まで生きてきて、奴隷として生きている奴らは何人も見てきたが
そいつらとこの女は何か違う。
なかなか面白いやつかもしれない。
気が付けば俺は
その女を船へ連れ帰っていた。
ーーーーーー
船に乗れば、椅子が空いているにも関わらず
俺の横の床に直接座る。
ビクビクしながら常に俺たちの顔色を伺ってやがる。
何か気に入らないことがあると
すぐに罰を受けるような生活だったんだろう。
汚ぇ身なりにアザや傷だらけの手足。
食事も満足に与えられていなかったようだ。
白い手足は痩せていて、華奢な身体つき。
だが顔立ちは整っていて、それなりの生活をさせれば上玉になりそうな女だった。
今後、まさかこの俺が
この女に振り回されるような生活を送ることになるとは、この時の俺は思ってもいなかった。
これが俺とミドリとの出会いだ。