〜第六章〜
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「……私が…好きなのは——」
「待って!ちょっと待って!」
私の言葉はコビーに遮られた。
「あの…僕から言わせて欲しいんだ。男の僕から、ちゃんと言いたい。」
コビーは私の両手を右手で握り返すと立ち上がり
手を引かれた私も一緒に立ち上がる。
「実は、一緒に海で任務だった日、グレイスさんに言われたんだ。」
「……何を?」
「仕事でいつ死ぬかわからない僕には、ミドリを幸せにできないって。」
「えっ…なんでそんなこと……」
「その時は、その通りかもしれないって思って……だから、ずっと悩んでたんだ。このまま君のそばにいていいのかって。避けるような態度とって、傷つけてごめん。」
頭を下げるコビー。
「理由はわかったよ。顔上げて?私も…勝手に怒って、バカって言ってごめん……」
コビーは顔を上げると笑った。
いつもの笑顔だ。
「でも、わかったんだ。グレイスさんに言われたことは、戦場で生き残る自信がない人の考えだ。要は僕がもっともっと強くなればいい。」
一度息を吸い込んで
意を決したように、いつになく真剣な顔になる。
「約束する。僕は今よりまだまだ強くなるよ。絶対に死なない……ミドリが好きだから。」
大きな声ではっきりと
私の目を見つめて
コビーらしい真っ直ぐな告白。
「好きだよ。ミドリ。」
ずっと待ってた言葉に
私の頬を涙が伝った。
堪えるように唇をグッと噛むけど
それは止まることはなくて
コビーが手を伸ばして、指でそっとその滴を拭う。
「私も、コビーが好き。」
「うん……ただの友達はもう嫌だよ。特別な関係になって、君の一番そばにいたい。」
「うんっ……」
「ミドリ…僕の、か…彼女になってもらえませんか?」
私に向かって手を差し出す。
私はその手をそっと握り、頭を下げた。
「よろしくお願いします。」
コビーはその手を引き寄せると
ぎゅっと私を抱きしめる。
「よかったーっ!」
「うん。」
「あ、ごめん。急だったね。」
何を遠慮したのか、すぐに私を解放する。
もっとそうしていたかったのに。
「グレイスさんと一緒にいるのを見た時は、もう手遅れかと思って気が気じゃなかったよ。」
「私がコビー以外の人と付き合うわけない。」
「………」
あ、また茹でダコみたい。
かわいい。
「私にはコビーだけだよ。2年前からずっと。」
離れている間、何度諦めかけたかわからない。
でも、ずっと想っていてよかった。
やっと手に入った。
視線を下に落としながら
そっとコビーの隊服を掴む。
「大好き。」