〜第三章〜
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……やってしまった…
ちょっと仮眠のつもりが時間はもうすぐお昼。
医療班のレイラさんに起こされるまで気付かなかった。
しかも発熱。
頭がガンガンと痛い。
コビーは今頃どうしてるだろう。
待ち合わせ場所に私が来なくて困ってるかな。
せっかくのデートをすっぽかしてしまうなんて……
布団の中で泣きそうになっていると
レイラさんが戻ってくる。
「ミドリ、部屋に行くわよ。」
「はい。すみません…ご迷惑を……」
「いいのよ。熱だけみたいだから部屋でちゃんと寝てね。コビー大佐が来てくれてるわよ。」
「えっ!」
その言葉を聞いて飛び起きると
目の前にコビーの姿。
「ミドリ、大丈夫?」
「コビー……」
「待ち合わせに来ないから心配で、探しに来たんだ。」
コビーは布団で私をくるむと
そのまま両腕で抱き上げる。
「わっ…何?」
「部屋まで連れて行く。」
「下ろして!私歩けるよ!」
「熱があるんでしょう?無理したらダメだよ。」
「そうよミドリ。大佐、こっちです。」
レイラさんは氷枕や水を持つと廊下に出て
私の部屋の方へと向かう。
それについていく、私を抱えたコビー。
「ごめんね…重いのに……」
「少しも重くないよ。」
私を安心させるように
ニッコリと笑ってくれる。
弱っているときに、その笑顔はずるい…
ーーーーーー
「ここです。助かりました。コビー大佐。」
「……2人部屋なんだね。」
コビーはベッドにそっと私を寝かせると
部屋を見回した。
「レイラさんがルームメイトなの。」
レイラさんはニッコリと笑った。
「ミドリ、お粥くらいなら食べられそう?持ってくるわね。」
「すみません、レイラさん…勤務中なのに……」
「後のことは僕がやります。どうぞ仕事に戻ってください。」
「そうですか?じゃあ…ミドリをよろしくお願いします。ミドリ、ゆっくり休んでね。」
「はい、ありがとうございました。」
レイラさんが部屋を出ると
コビーはタオルを絞って私のおでこに乗せてくれた。
「コビーごめんなさい、私…行けなくて……」
「謝ることないよ。僕の方こそごめん。無理させちゃったみたいだね…」
「コビーのせいじゃないよ。私の仕事が遅いから…それに自分の体調管理もちゃんとできないなんて医療班失格。」
「そんなことない。疲れが出たんだよ。」
大きな手で優しく髪を撫でられる。
「行きたかった…デート……」
恥ずかしくなって目の下まで布団をかぶりながら
コビーを見つめてそう言えば
コビーも顔を赤くした。
「ま、また、いつでも行けるよ。」
「……うん…そうだね。」
「ミドリはずっと僕の回復を待っててくれたんだ。今度は僕が待ってるよ。」
「ありがとう。」
「お粥もらってくるね。食べられそう?」
「うん。」
デートがなくなったのは残念だし
熱のせいで体中が痛いけど
コビーが私のそばにいてくれるこの状況に、不謹慎だけど嬉しくなってしまう。