気づかれないように
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この恋を自覚したときから
ずっと
君を見ていた。
〜気づかれないように〜
無意識のうちに、つい目で追ってしまう。
もしも、この気持ちに気づかれてしまったら
どこかに消えてしまいたい。
そのくらい、恥ずかしい。
仲間であるあなたに、恋に落ちただなんて。
でも、その表情や声や仕草が
私の心を掴んで離してくれない。
胸がぎゅっと苦しくなって
そのドキドキが癖になってやめられない。
気づかれないように、気づかれないように。
いつもこっそりと、サンジ君を見つめてる。
最初は、大事な仲間のひとりで
それ以上の特別な感情はなかった。
仲間想いで優しい。
紳士的でスマートな振る舞い。
いつも冷静で、いざという時頼りになる。
そんなイメージだった彼を
サンジ君ていいな。
他の男たちとは何か違う。
こんな人が恋人だったら、大事にしてくれそうだ。
私が、恋人になれたら……
そんなふうに思い始めている自分がいた。
完全に恋だと自覚したのは
ひと月ほど前の、船の上での出来事——
「きたーーー!!」
「絶対釣り上げろよルフィ!!生簀の準備だチョッパー!!」
「おう!わかった!!」
「すごい、ルフィ!頑張って!!」
ルフィとウソップ、チョッパーが
いつものように釣りに勤しんで
私はその後ろで、参加はせずとも応援していた。
私たちの声を聞き付けた仲間たちが甲板に集まる。
「最近水槽が寂しかったからな。久しぶりに新鮮な魚を調理できそうだ。」
サンジ君も嬉しそうにキッチンから出てきて
私の隣でルフィを見守る。
その時だった。
「おりゃーー!!」
釣り上げた魚は、思っていたよりも大きくて
ルフィが力任せに釣り上げた勢いで
こちらに向かって飛んでくる。
「そっち行ったぞ!!」
「あぶねェ!!」
「えっ……」
まさか私に向かってくるとは思っていなくて
一直線に目の前まで飛んできた魚を前に
動けなくなった私を
「ミドリちゃんっ!」
咄嗟にサンジ君が腕に抱いて後ろに飛んだ。