secret smell
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私はサンジくんと
お付き合いすることになった。
仲間になってから
ずっと彼のことが好きだった。
サンジくんも同じ気持ちになってくれたようで
彼の方から告白してくれた。
すごく嬉しくて
幸せで
天にも昇る心地だった。
でも
「皆には、内緒にしておきたいの。」
大喜びで仲間達に報告しに行こうとする
サンジくんを、私は引き止めた。
「どうして?」
「私、恋人なんて初めてで恥ずかしいし…
皆の前でどうやって振る舞えばいいのか
わからないし、今はまだ内緒にしておきたい…」
サンジくんは私のそんな気持ちを汲み取って
微笑んでくれた。
「わかった。じゃあ、しばらくは秘密にしよう。」
〜secret smell〜
クルーの皆に、この関係は秘密。
そうなってくると、2人きりにならない限り
恋人同士の時間を過ごすことはなく
付き合い始めたとは言っても
私たちは今までと変わらない距離感を保っていた。
それでも変わらずサンジくんは優しかったし
目が合えば柔らかい瞳で微笑みかけてくれたり
いつもさりげなく隣にいてくれたり
今までよりも、特別に感じた。
付き合い始めて半月が過ぎる頃。
夕食後、深夜までの見張り番のため
見張り台にいると、サンジくんが登ってきた。
「ミドリちゃん。差し入れ。」
温かい紅茶の入ったカップを手渡される。
「ありがとう。」
笑顔で受け取るとサンジくんも嬉しそうに笑い
隣に腰掛けた。
「少しここにいてもいいか?」
「もちろん。皆は?」
「部屋へ行ったり風呂に行ったりだ。
まァおれがいなくても特に気にしないだろ。」
タバコに火をつけながらサンジくんは言った。
「な?だから今は2人になってもいいだろ?」
「うん、そうだね。」
サンジくんと2人きり。
私は急に意識してしまう。
「……手、握っててもいいか?」
少しの沈黙をサンジくんが破った。
「……うん。」
恥ずかしかったけど、手を差し出す。
大きな手に、優しく握られた。
「ちっせ。」
嬉しそうなサンジくんの笑顔。
私も自然と笑顔になった。