Last chance
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誰もいない昼下がりの路地裏。
並んで立って気が付いた。
サンジ、背が伸びた。
「驚いたよ……どうしてグランドラインに……」
「……うちの店、事業拡大が決まって、1年前からこの島にイーストの郷土料理のお店を開いたの。そこのコックにたまたま選ばれて。」
たまたまじゃない。
本当は自分から手を挙げた。
もしかしたらグランドラインにいれば
いつか会えるかもしれないと。
でもまさか、本当に会えるなんて。
「そうだったのか。あの…なんていうか、あの時は本当に悪かった。急に決まったことだったから、ちゃんとさよならも言えなくて。」
「私も…ひどいことを言ってごめん。ずっと謝りたかったの……」
「ミドリが謝ることなんて何ひとつないだろ。悪いのはおれだ。ミドリを傷付けた。」
サンジは私に向き合って、深く頭を下げた。
「ごめん。ミドリ。」
もうその声で名前を呼ばないで。
幸せだった、あの頃のように…
「……私、買い出しがあるから。それじゃあ…」
嘘をついて、その場を離れた。
これ以上ここにいると
許されない何かを期待してしまいそうだったから。
「ミドリ!」
背を向けた私に、また名前を呼ぶ。
「また会えないか?ログが貯まるまでこの島にいる。」
もう会わない方がいい。
断らないといけない。
なのに…
「……この通りの先にある店がうちの店。大抵そこにいる。」
「わかった。ありがとう。」
また傷付くことになるかもしれない。