Last chance
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久しぶりにランチ営業後に上がらせてもらえて
買い物でもしようかと街中をふらついている時だった。
「そっちへ逃げたぞ!!」
「必ず仕留めろ!!」
普段からよく海兵が巡回している街だけど
どこぞの賞金首でも潜入しているのか
今日はやけに街中が慌しかった。
「待て!黒足!!」
ひとりの海兵の声に足を止める。
黒足?
確かにそう聞こえた。
サンジの通り名だ。
まさか……でも、ありえなくはない。
考えるより先に体が動き出した。
海軍が向かう先へ、私も走った。
どのくらい探し回ったかわからない。
海軍でも捕まえられないんだ。
私なんかが見つけられるはずがない。
でも、どうしてもこのまま見過ごせない。
だってもしかしたら、会えるかもしれない。
「……うそ………」
想いが通じたのか
建物の影から通りを伺っている彼を見つけた。
間違いない。サンジだ。
全身がザワザワと逆立つように緊張が走った。
鼓動が今までにないくらい速く脈打つ。
あのままでは、また見つかってしまうかも。
震える足を無理やり動かして
彼のもとへ駆け寄った。
「……サンジ。」
声が震えた。
「……ミドリ…」
サンジが振り向いて
私の名を口にした。
覚えていてくれた。
ただそれだけで、涙が出そうになる。
「どうして……」
「こっち。」
困惑するサンジの腕を引いて
路地裏へ案内する。
「……ここなら、きっと海軍は来ない。」
「あ、あァ。ありがとう……ミドリ、だよな?」
「……うん。」
顔を見られない。
やっとやっと、会えたのに。
あの時ひどいことを言ってしまったことを
謝るチャンスなのに。