Last chance
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もう2年も経つのか。
元気にやってるといいんだが
おれには心配する資格もない——
「……そうでしたか。そんなことが。」
「あァ。最後に傷付けた。彼女にとっておれは、きっと二度と顔も見たくない最低野郎だ。」
「何ものにも代え難い夢があったのですから、仕方のないことです。」
「……だから、もう二度と女を泣かせたくないんだ。」
「これから出会う人を幸せにすればいいんですよ。またチャンスはいくらでも来ます。」
「ありがとう、ブルック。」
ーーーーーーー
「黒足だ!麦わらんとこの!!」
「追え!!」
「そっちに行ったぞ!!」
「クソッ!」
久しぶりに上陸した島。
大きな港町があり、様々な店が充実していたが
近くに基地があるらしく、海軍の姿も多く見られた。
ひとり買い出しに来ていたおれは
情けないことに奴らに見つかり
しかもその連絡網によって
逃げる所、逃げる所に奴らの姿があった。
「この辺りにいるはずだ!探せェ!!」
「ハァ…ハァ…しつけェな……」
建物の影に隠れ、壁を背に通りの様子を伺う。
大勢の足音が近付いてくる。
どこへ逃げる。
と、肩を軽くトントン、と叩かれる。
「……サンジ。」
名を呼ばれ
振り向いてすぐに、言葉を失った。
「……ミドリ…」
間違いない。
ミドリだ。
「どうして……」
「こっち。」
腕を引かれるままについていく。
頭が混乱する。
イーストブルーで別れたはずのミドリが
なぜここに……
ミドリにそっくりな他人か?
いや、さっきおれの名を呼んだ。
間違いなくミドリだ。
ミドリはおれの腕を引いたまま路地裏へ入り
さらに建物の間の細い道を縫うように駆けていく。
しばらく進んで、大通りからはだいぶ離れた
人通りの全くない場所へ出た。
「……ここなら、きっと海軍は来ない。」
「あ、あァ。ありがとう……ミドリ、だよな?」
「……うん。」
罰が悪そうに、おれと目を合わそうとしない。
おれの背が伸びたせいか
前よりも小さく感じるが
その瞳。声。仕草。
全てがあの頃のまま。
こんな偶然あるのか。
おれは再び、君に出会った。