Last chance
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バラティエでの生活の中
月に2.3回はミドリに会いに行く。
そうやって愛を育んだ。
そんな生活を1年ほど送った頃
バラティエにルフィ達がやってきた。
そのたった数日で
おれの人生がガラリと変わることになる。
——プルプルプルプル……ガチャ
『サンジ?お仕事お疲れ様。珍しいね、こんな時間に。』
おれからの電伝虫に嬉しそうに君が出る。
胸が痛んだ。
「ミドリ。今話いいか?」
『うん。今日は休みだから大丈夫だよ。」
「悪いな、急に…」
『……どうかした?』
おれの声色がいつもと違ったのか
ミドリも少し不安げな声になった。
何から話せば良いのか…言葉を選びきれない。
でも、どんな言い方をしても
結局は君を傷つけることに変わりない。
「……もう、会えない。」
『……どういうこと?』
「海賊になるんだ。今から…海へ出る。」
『………』
「見つけに行くんだ。オールブルーを。」
『え……どうして、こんな急に?納得できないっ…いやだよ……』
泣きそうな声色になった。
電伝虫越しでもすぐにわかった。
さらに胸が痛む。
でも傷付いているのはおれじゃない。
ミドリの方だ。
「ごめんな。急に決まったんだ。今…海へ出たいんだ。いつ戻るかわからない。戻ってくるかもわからない……こんな別れ方になって…本当に悪い。」
『お別れなの?』
ミドリが泣いている。
すぐに行って、抱き締めてやりたい。
抱き締めて、その涙をぬぐって
キスをしてやりたい。
でももう、おれにはそれはできない。
「これだけは言わせてほしい。おれはちゃんとミドリを愛してた。今も変わらず…愛してる。」
『……っ…うぅ…』
「幸せになってくれ。」
『……わかった、もういい……オールブルーでもなんでも…勝手に探しに行けば!さようなら!!』
——ガチャ
「……ごめんな…」
最低なことをした。
一番大切な子に、おれは。
それでも譲れない夢のため
前を向いて進んでいくしかなかった。