スキとキライと。【後編】
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〜side ミドリ〜
皆に、仲間になれと言われるたび
本当は素直に「はい」と言いたかった。
でも、変なプライドがそれをさせなかった。
ひとりで人質を買って出たのは
このまま誰も助けに来なければ
私は麦わらの一味を諦められる。
そう思ったから。
でも心のどこかで助けにきてくれるのを待っていたんだと思う。
広い建物だったけど
建物内のどこか遠くで大きな音がしたときは
期待することをやめられなかった。
サンジの声が微かに聞こえたときは
気付けば必死でドアに頭をぶつけていた。
「サンジぃ……」
ぎゅっと抱きついて、名前を呼んで
自分が男の人にこんなことをするなんて信じられない。
すごくドキドキする。
でも
サンジの腕の中はとても安心できる場所だった。
一番嫌いだったはずなのに
一番近くにいる。
来てくれたのがサンジでよかったと思ってる。
そうか。
私いつの間にか
サンジのことはもう嫌いじゃなくなったみたい。
それどころか、他の男に比べて
サンジだけが特別。
「お!ミドリ見つけたのか!!」
いつの間にか廊下に立っているルフィがこちらを見ていて
私は慌ててサンジから離れた。
「こっちも終わったぞ。帰ろう!」
「待てルフィ。まだロビンちゃんの手錠の鍵が。」
「あ、私持ってる。」
「ミドリちゃんが?」
「私を縛った男がぶら下げてたから盗んでおいたの。」
「やるなぁミドリ!よし戻ろう!」
私たちはサニー号へ帰った。