スキとキライと。【後編】
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口にはテープを貼られ
手足は縛られて、床に座っていた。
「ミドリちゃん!」
「んん!!」
口のテープを剥がすと少し赤く跡が残り
手足の縄を解けば、そこにもきつく結ばれていた痛々しい跡がついていた。
「無事でよかった。怖かったろ。」
「……別に来てくれなくても、ひとりで逃げられた。」
ミドリちゃんは手首をさすりながら目を逸らした。
強がっているのが見え見えだ。
「手足縛られてたのにか?」
「………」
よく見るとミドリちゃんの額は赤く腫れ
所々血が滲んでいる。
「おい、どうした?その頭。」
「……声は出せないし、手も足も動かせないからドアに頭突きしてたの。でもよく考えたら両足で蹴ることはできたかも。サンジの声が聞こえたから、もう必死で……」
俺は思わず抱き締めた。
「何!?やめて!嫌だ!サンジはキスしてくるから嫌いだよ!」
ミドリちゃんは俺の胸を両手で押して離そうとしてくるが
俺は腕に力を込めて一層強く抱き締める。
「嫌ならもうしねェよ!このくらいいいだろ!どれだけ心配したと思ってんだ!!」
「っ……ごめんなさい……」
しまった。
強く言いすぎた。
俺を押していた腕の力が弱まる。
「いや、怒ってるわけじゃ——」
ミドリちゃんは俺の胸に顔を押し付けてきて、背中におずおずと腕を回した。
「本当はすごく怖かった……来てくれて嬉しい。」
鼓動が速くなるのがわかった。
「サンジぃ……」
ダメ押しだ。
可愛くて、愛おしくて
好きすぎてどうにかなっちまいそうだ。