スキとキライと。【後編】
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その頃、ナミとロビン、ミドリは
街で買い物を終え、お茶をした後
サニー号への帰路へとついていた。
「あそこのケーキ美味しかった。」
「うん。島を出る前にもう一度行きたいな。」
「ケーキならサンジにお願いすればいいじゃない。」
「……それはいいや。」
「ミドリの頼みなら喜んで作ると思うけど?」
「あはは。そうかな。」
「あんたね、いつまでサンジくんを嫌ってるの?他の男どもとは距離はあっても、だいぶ打ち解けてるように見えるけど。」
「私にはサンジだけを意識しすぎのように見えるわ。」
「意識って?」
顔を見合わせるナミとロビン。
「ねぇミドリ、例えばルフィのことはどう思う?」
「ルフィ?まぁ自由な人だけど話してて面白いかな。」
「ゾロは?」
「無口で見た目は怖いけど、害はない人だよね。」
「ウソップは?」
「優しいよ?いろいろ気にかけてくれるし。」
「じゃあ、そいつらとサンジくんはどう違うのよ。」
「うーん……なんていうか、サンジがそばにいると胸がぎゅうってなるし、目が合うと息がしにくくなるっていうか……他の男にはそんなこと全くないもの。つまりそれくらい嫌いってことなのよ。」
また顔を見合わせてニヤリと笑うナミとロビン。
「ねぇねぇミドリ、それってサンジくんのこと——」
「ナミ。ミドリ自身が自分で気付いていった方がいいんじゃないかしら?」
「そっか。それもそうね。」
「何?ナミ、何を言いかけたの?」
「なんでもない。あんたが仲間になる日も近いってことよ。」
「えぇ?」
3人が楽しそうに話しながら歩いていると
「キャッ!」
「何!?ロビンどうしたの!?」
突然現れた男に、ロビンは縄で縛られ、海楼石の手錠をかけられた。
「麦わらの一味だな?」
「何よ、あんたたち!」
岩場の影から次々と現れる男たちに
気付けば周りを囲まれ、ナミとミドリは戦闘態勢に入る。
「女だけで出歩いてるとはラッキーだったぜ。」
「あなたたち…賞金稼ぎね。」
「正解だ。ニコ・ロビン。ただ俺たちの狙いはお前らじゃねェ。15億の首だ。」
「ルフィ……」
「この島にお前らの船が来ているのを知って、島中の賞金稼ぎが手を組んだんだ。悪いがお前らには人質になってもらう。」
「あんたたちなんかにルフィの首が取れるとでも思ってるの?」
「だから人数を集めた。アジトにまだまだ仲間がいる。そこへお前らを使って麦わらをおびき寄せるんだよ。」
男たちはナミとミドリも縛ろうと各々縄を出す。
ミドリが一歩前へ出た。
「私を連れて行きなさい。」
「ミドリ!」
「人質なんて1人で十分でしょ?」
「物わかりが良くて助かる。手荒なことはなるべくしたくないからな。」
「ミドリやめて!今戦えばいいじゃない!」
「海楼石よ?ロビンは戦えない。この人数、私たち2人でやれる?」
ミドリはナミにそっと耳打ちをする。
「大丈夫。隙をみて逃げ出す。」
「でも……」
「それにこんな奴ら何人束になってもルフィに敵うとは思わない。今私たちが無理に戦うよりも、後でルフィ達に任せた方がいい。そうでしょ?それまでの辛抱よ。」
ミドリがおとなしく両手を縄で縛られると
ロビンは手錠を付けられたまま解放された。
「麦わらが来るまでニコ・ロビンはそのままだ。邪魔されちゃかなわねェからな。」
「この女は預かる。お前ら麦わらに伝えろ。『西の海岸にあるアジトで待つ。』とな。」
男たちはミドリを抱きかかえ、
足早に去っていく。
「ミドリ!」
「大丈夫!心配いらないわ!!」