スキとキライと。【後編】
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夕食の仕込みをしながら考える。
ミドリちゃんは男を避けて生きてきた。
だからきっと恋というものも知らないんだ。
——あんたのことばっかり考えちゃう!
ミドリちゃんの言葉がこだまする。
この言葉の理由が“恋“なら
あのキスも、あながち間違った行動ではなかったんだ。
あとはミドリちゃんがそれに気付いてくれるかどうか。
自惚れかもしれないが
期待せずにいられない。
ミドリちゃんが俺を好きかもしれない。
もしそうだとしたら
こんなに幸せなことはない。
ーーーーーー
次の日。
俺はチョッパーを連れて街で食材の買い出しに出ていた。
「よし!買いたいもんはあらかた揃った。付き合ってくれてありがとうな、チョッパー。サニーに戻るか。」
「うん!おれも医学の本が買えたから満足だ
!」
サニー号へ戻る途中、怪しい気配を感じる。
「どうした?サンジ。」
「……誰かにつけられてるな。」
「本当か!?海軍か?」
「わからねェ。とにかくこのまま進め。」
「おう。」
街を抜けて、人気のない所へ来ても
その気配は消えなかった。
尾行されてる?
俺は立ち止まって振り返る。
「誰だ!?」
誰も出てこない。
「……やっぱり気のせいじゃねェのか?」
「……だといいがな。」
嫌な予感がするが
俺たちはそのままサニー号へと戻った。
船には船番のゾロと
腹を膨らませたルフィがいた。
「街の名物のまんじゅう食い過ぎたんだ。」
ルフィはそう言って甲板で横になっていた。
「おいマリモ。レディーたちは?」
「知るか。船にいなきゃ島に降りたんだろ。」
「………」
「てめェは女どもに過保護すぎだ。」
「うるせェ。島で嫌な気配を感じたんだよ。何事もなきゃいいが。」
なんだか胸騒ぎがする。