One Love
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ビジョー島に上陸し、皆が下船の準備を始めた。
…行きたくないな。
行ったら、美女たちに囲まれてデレデレするサンジくんの姿を見なくちゃいけなくなる…
「はぁ〜…」
甲板の端で悩んでいると皆の声が響いた。
「「「行かない!!?!」」」
「あぁ。おれは行かねぇ。船番だ。」
…サンジくん。
「おいおい。どうしたってんだ?サンジ…」
「おめェさっきから変だぞ。」
「美女に目がないサンジさんがこの島に行かないなんて…」
「鼻血出ても輸血してやるから大丈夫だぞ?サンジ。それともどっか具合悪いのか?」
「いや。どこも悪くねぇ。夕飯の仕込みもあるし…おれは行かねぇ!」
半ばヤケになっているようなサンジくんは
バタン!とダイニングの扉を閉めた。
これって…私のせいだよね…
「ママ珍しいこともあるわね。槍でも降ってきて、皆串刺しにならなければいいけど。」
「こえぇよ!想像が!」
「あんなヤツほっとけ。おれら行こうぜ。」
「あれ?ルフィは?」
「もういねぇ。」
みんなが次々に船を降りて行く。
「……ナミ。私も残る。」
「そう?…わかった。適当に帰ってくるから。」
「うん!」
ナミに手を振って、ひとりキッチンへと向かう。
ーーーーーー
サンジくんはカウンターで料理の本を見ていた。
「本当に行かなくて良かったの?
「……ミドリちゃん…」
「この島、夢だったんでしょ?」
「そうなんだが…行ったらミドリちゃんに悲しい顔させちまうかと思って。」
「………」
サンジくんの隣に腰掛ける。
いつものタバコの香りがする。
最初は少し苦手だったけど、今では安心する香り。
「何か飲むか?」
立ち上がるサンジくんの服を掴む。
私のためにそこまでしてくれるのなら
私も素直になりたいと思った。
「…私もサンジくんが好きだよ。」
「!」
恥ずかしすぎて顔を直視できないけど
驚いた顔をしてるであろうサンジくんが
私の隣に座り直す。
「ミドリちゃん…それ本当か?」
「本当だよ…」
「嬉しいが…おれのことは信じられないって…」
「ずっと好きだったの…だからサンジくんが他の女の子に優しくする度モヤモヤして…嫉妬しちゃって…」
ゆっくり話す私の話を黙って聞いてくれる。
「ナミやロビンにもヤキモチ焼いちゃうし…さっき、特別って言ってもらえてすごく嬉しかったけど…こんな面倒くさい私なんかが、サンジくんとうまく付き合っていけるか自信がなくて…」
フワッと全身を包まれる。
サンジくんの厚い胸元が目の前にあって
抱き締められていることに気付く。
「…悩ませてごめんな。」
ポツリと呟いた。
抱き締められた恥ずかしさと
耳元で響く低い声でドキドキする。
でも優しい腕の温もりが気持ちよくて
私の悩みなんてどうでもよくなってきてしまう。
「確かにおれは女の子が大好きだ。これからも女の子にはデレデレしちまうと思うし、その度ミドリちゃんを悲しませるかも知れねぇ。ナミさんもロビンちゃんももちろん、全世界の女性に幸せになってもらいたいと思ってるが…」
私を抱きしめる腕に更に力がこもる。
「おれが自分の手で、生涯かけて幸せにしたいと思うのは君だけだ。ミドリちゃん。」
何よりも嬉しい言葉だった。
「…信じられないなんて言ってごめんね?やっぱり…私、サンジくんと一緒にいたい…」
サンジくんが他の子に鼻の下を伸ばそうが
優しくしようが関係ない。
私を一番だと言ってくれてるのだから。
それだけで十分じゃないか。