スキとキライと。【前編】
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麦わらの一味にお世話になってから
1ヶ月が過ぎようとしていた。
「なぁ、本当におれたちの仲間にならないのか?おれたち全員ミドリなら大歓迎なんだぞ。」
甲板でチョッパーとくつろいでいたら
そう言われた。
「な?ルフィ。」
チョッパーは近くにいたルフィに話を振る。
「もちろんだ!」
ルフィは私の隣に座った。
「別にハンコック達じゃなくても、俺たちと一緒に海賊やればいいじゃねェか。楽しいぞ?」
「……みんながいい人たちなのはわかったけど、仲間にはならないよ。」
正直心は揺れていた。
ナミもロビンもチョッパーも大好きだし
他はみんな男だけど、信用できることもわかった。
「ミドリ、ルフィが隣に座っても平気になったんだな!」
チョッパーが驚いた顔をしてこちらを見ている。
そういえば言われるまで気付かなかったけど、すぐ隣にルフィが座っているのに嫌な感じが全くしない。
「当たり前だ。おれは強ェからな。」
「それ関係ねェだろ。男への苦手意識がなくなってきたんじゃないか?」
「え?そうかな……」
そこへサンジがおやつを持ってやってきた。
「ミドリちゃ〜ん。今日のおやつはドーナツだよ〜!てめェらは勝手に食え。」
「ありがとうサンジ!」
「……そこ置いといて。」
「あ……まだサンジはだめだな。」
「なんだ、何がだめなんだ。それにてめェルフィ!何ちゃっかりミドリちゃんの隣に座っていやがる!」
「俺は大丈夫なんだってよ。」
ルフィが嬉しそうにドーナツを頬張りながら言う。
「でもサンジはまだだめだ。」
チョッパーも美味しそうにドーナツを食べる。
「クソ……ミドリちゃんを船に連れてきたのは俺だってのによ……」
サンジはうなだれて、明らかに落ち込みながらキッチンへ戻っていった。
言われてみれば、どうして私はサンジだけダメなんだろう?
どうしてもサンジが近くにいると
意識して、緊張して、うまく喋れなくて。
ついつい睨んでしまうし、キツい態度を取ってしまう。
それに、サンジの優しさに触れるのがすごく怖い。
自分が自分じゃなくなるようで。