スキとキライと。【前編】
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「チョッパー、展望室のマリモ呼んできてくれるか。」
「おう!わかった!」
俺が夕食の仕上げにかかっていると
テーブルではナミさんがミドリちゃんのことと、これまでのいきさつをルフィに説明したところだった。
「なんだそういうことか。なら俺がハンコックに頼んでやるよ。」
「え!あんた、ハンコックさんを知ってるの?」
「そういえば2年前にお世話になったって言ってたわね。」
「そうなんだ。あいつ結婚しろってうるせェけど、いい奴なんだ。」
ししししとルフィは嬉しそうに笑う。
「結婚って…まさかあのハンコックさんがあんたに?そんなわけない。ありえない。」
「私たちもにわかに信じがたい話なんだけど、ルフィは嘘を言うような人じゃないのよ。誰かさんと違って。」
「うおいロビン!それはこのオレのことか!」
「ヨホホホ。ウソップさんの他に誰がいるんですか。」
「なぁオレ様が船を直してやったとして、その女帝に会いに行くことはできるのか?」
「女ヶ島へ行くにはレッドラインの向こう側だから、ちょっと無理があるわね。」
「適当に旅してりゃそのうち会えるんじゃねェか?お前もそのつもりで海へ出たんだろ?」
「またルフィはそうやって無責任な…」
「うん…まぁ、自分でもちょっと無謀だとは思ったけど…」
「ひとつ提案なんだが…」
俺が話に入れば、ミドリちゃんはまたあの怖い顔で俺を睨む。
いやちっとも怖くねェし、むしろ可愛いんだが、なんだか他の男どもより嫌われてる気がするのは俺だけか?
「何?サンジくん。」
「あぁ、まぁそんなに急ぐ旅でもないなら、このまま俺達とこの海を進んだらどうだ?ルフィの言うように、運が良ければそのうち会えるかも知れねェ。会えなくても俺たちがグランドラインを一周したら女ヶ島へ送ってやったっていい。何しろ俺は君がひとりでこの海を旅してるってのが心配でならねェんだが。」
「それがいい!そうしろ!大勢の方が楽しいしな!サンジ飯まだか。」
「ちょっと、勝手に決めないでよ!私はまだ…」
「まぁ現実的に考えて、あの船の装備じゃかなり厳しいぜ。」
「私もサンジさんに賛成です。可愛らしいお嬢さんをこのまま放ってはおけませんからね。」
「まぁ俺もそれが良いと思うぜ。」
「私も、妹ができたみたいで嬉しいわ。」
ブルック、ウソップ、ロビンちゃんもそれぞれ賛成してくれた。
皆に促されてミドリちゃんも迷っているようだ。
「そうしなさいよ、ミドリ。こんな奴らだけど、そこまで悪い奴らじゃないわよ。」
ナミさんの一言でミドリちゃんは渋々ながら頷き、頭を下げた。
「じゃあ少しの間、お世話になります。よろしくお願いします。」
皆嬉しそうにそれぞれ返事をする。
俺も嬉しかった。
どんなに嫌われていても、やっぱり放っとくことはできないから。
「よし、決まりだ!じゃあサンジ、飯にしよう。」
「おう。いや、ミドリちゃんの歓迎会だな。」
「おう!そうだな!宴だぁ!!」
嬉しそうにルフィが叫ぶと、ドアが開く。
「なんだか楽しそうだな!ゾロ連れてきたぞ〜!」
「おう!ゾロ!チョッパー!こいつしばらく俺たちと旅することになった…え〜っと…お前誰だ?」
「「「名前知らなかったのかよ!!」」」
「ミドリです。」
「ミドリだ!」
「おう。ミドリな。」
ゾロの野郎は興味なさそうにそれだけ言うと、目も合わさずテーブルに着く。
無愛想な奴め。
「ミドリ、仲間になったのか!?」
チョッパーは嬉しそうにミドリちゃんに抱き付き、ミドリちゃんはその勢いに驚きながらも、可愛さにやられたのか笑顔を向ける。
「仲間になったわけじゃないけど、しばらくお世話になるね。」
「そうなのか!おれお世話するぞ!よろしくな!」
男嫌いでもトナカイなら許されるのか。
クソ羨ましいな。