片道の恋
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その後も変わらない毎日が続いた。
ミドリちゃんの俺への態度も変わることはなく、今までのように接してくれた。
まるであの告白はなかったみたいだ。
避けないでいてくれて嬉しいが
逆に俺のことは少しも意識していないようで
実は少し寂しかったりもする。
ーーーーーー
数日が経った日の夜。
戦いを仕掛けてきた敵船に勝利した祝いで宴をしていた。
足りなくなった料理の追加を作って持っていくと、珍しくルフィの奴が酔っ払っていた。
どうやら敵船から奪った上等な酒を飲み過ぎたらしい。
「ルフィ、飲み過ぎよ!」
「こいつ、この酒ほとんど一人で飲みやがって!」
「なんかいい気分だな〜」
ナミさんとゾロに怒られている。
「ミドリ、今日は一緒に寝るか!」
調子に乗ったルフィは隣に座るミドリちゃんに抱き付いた。
「っ、ちょっと、ルフィ……」
「ルフィやめなさいよ!あんたそれセクハラよ!」
「いいんだ!だってこいつはおれのこと——」
ゴッ——
ルフィの野郎が余計なことを口走ろうとした瞬間、俺はルフィの顔面を蹴り上げた。
同時にルフィは吹っ飛んで壁にぶつかる。
「いってー……」
「ちょっとサンジくん、やりすぎよ!」
「いくらなんでも…サンジお前、今覇気使ったろ!」
ナミさんとウソップが焦って止めに入るが
俺の耳には入らない。
「サンジくん……」
ミドリちゃんも慌てていた。
「いきなり何すんだサンジ!いてェだろ!」
「てめェちったァレディーの気持ちも考えろ!!」
怒りで頭に血が上る。
酔っ払ってるからといって
ここまでデリカシーのない奴だとは思わなかった。
壁際に倒れるルフィに近付き
他の奴らに聞こえない声で言う。
「これ以上ミドリちゃんを傷付けやがったら俺は許さねぇぞ。」
「……あぁ…そういうことか。確かに今のは、考えなしだった…」
俺の蹴りで少しは酔いが冷めたのか
素直に反省するルフィに
俺は怒りをおさめることにした。
「一服してくる。悪かったな、空気悪くして。続けてくれ。」
呆気に取られている仲間たちを残し
俺はひとり船尾へ向かった。