One Love
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「ごちそうさまでした!!よし!釣りするぞ!」
「おう!おれも!」
「おれはポップグリーンの手入れだ。」
おやつを食べ終えたルフィ、チョッパー、ウソップがバタバタと部屋を出ていくと
入れ違うように、サンジくんがやってきた。
「サンジ、プリンうまかったぞ!」
「ごちそうさまでした!」
「おう。」
まずい…
このままじゃまた2人きりだ。
せっかく逃げてきたのに。
私は最後の一口を急いで口に入れ
キッチンで片付けをするサンジくんのところへ持っていった。
「ごちそうさま。美味しかった。」
「あァ、ありがとう。」
いつもなら少しでも一緒にいたい一心で
片付けを手伝ったりするのだけど
最近はそんな気分になれなくて
手伝いをすることもなくなってしまった。
今回もそのままそこを立ち去ろうとする。
——と、
「ミドリちゃん。ちょっと話がしたいんだ。今お茶入れるから、そこ座っててくれるか?」
ギクっとした。
「うん…わかった。」
断るのも変なので
そのままサンジくんの目の前のカウンターに座る。
話ってなんだろ…
今日の私の態度はさすがにひどかったかな…
サンジくんを傷付けちゃったのかも…
「ミルクティーでよかったかな?」
「あ、うん。ありがとう。いただきます。」
出してくれたミルクティーを一口飲む。
おいしくて優しい香り。
自然と笑顔になる。
「おいし〜…。」
「久しぶりに見れたな。ミドリちゃんの笑顔。」
「え?」
「…最近笑ってくれないなと想ってたんだ。」
サンジくんもコーヒーを手に隣に座った。
「…おれ、ミドリちゃんに何かしちゃったかな?おれのこと嫌いになった?」
「え…そんなこと…」
「この際だからはっきり言っちまうけど…」
ずいっとサンジくんの方が近づく。
こんなに近くで顔を見るのは初めてなくらい。
「おれはミドリちゃんが好きだ。」
「なっ……」
突然の告白に顔が熱くなる。
でも、これまでも『好き』という言葉は何度も聞いた。
もちろん言われる度嬉しかったし、今も嬉しい。
でもその言葉は私以外の人にもよく向けられている。
そんな軽い言葉が欲しいわけじゃない…
「ありがとう。でもそんな改まらなくても、いつも言ってくれるじゃ——」
「いつものとは違うんだ。」
私の言葉を遮ってまで伝えてくるサンジくんの表情は真剣で
その瞳から目が逸らせない。
「ナミさんやロビンちゃん達とも違う。ミドリちゃんだけが特別なんだ。」
「特別……」
「…わかってくれるか?ちゃんとした告白のつもりなんだが。」
珍しく、サンジくんが照れている。
特別。
その言葉が素直に嬉しい。
だって、私もサンジくんが特別。
ここで「私も」って言えば
きっと彼氏彼女になれる。
……でも…
これまでのサンジくんの言動が頭をよぎる。
——んナミさ〜ん!ロビンちゅわ〜ん!今日もなんて美しいんだ!好きだー!
ナミやロビンだけじゃない。
上陸した島で会った子、敵の海賊や海軍
綺麗な女性に出会う度に口説いているサンジくんをずっと見てきた。
彼女になれたとしても、きっとそれは変わらないだろう。
そんなの耐えられるのか…
「……特別なんて…私、信じられないよ…。」
ポツリと呟いてダイニングを出て行く。
ごめんね、サンジくん。
本当はすぐにでも抱き付きたいくらい嬉しかったけど
まだ、どうしても素直になれない…。