happiness
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ふと目が覚めて顔を上げる。
サンジさんの整った顔が目の前にある。
本当に朝まで抱き締めていてくれた。
サラサラの金髪に指を絡める。
「ん……」
起こしちゃったかな?
でもそろそろ起きないと
船が出る時間になっちゃう。
「サンジさん、朝です。」
目が開いて、私を確認すると
体勢を整えて強く抱き締めてくれた。
「仲間に置いていかれちゃいますよ?」
「あァ、そうだな。仕方ねェから行くか。」
起き上がって身なりを整えるサンジさんに紙を渡す。
「…これは?」
「ワッフルのレシピです。これを作る度に私を思い出してくれたら嬉しいなと思って。」
「あァ、ありがとう。悪いけど、思い出すことはないな。」
「え…?」
「ミドリちゃんを忘れることはないからな。」
耳元で意地悪そうに笑いながら
サンジさんは言った。
「いつも君を想ってる。」
私は少し恥ずかしくなって
テーブルにあったサンジさんのタバコの箱を手に取る。
「じゃあ私はこれをもらいますね。いつもサンジさんを想ってます。」
サンジさんは少し寂しそうな顔で微笑むと
おでこにキスをくれた。
「本当にこれで終わりだ。」
「はい。さよならは言いません。涙もなしで。」
「あぁ。元気でな。」
「サンジさんもお元気で。」
涙を押し殺して、笑顔を向ける。
我ながら100%の笑顔。
サンジさんも笑顔で手を振ってくれて
バタン——
ゆっくりとドアが閉まった。
その瞬間私は
声を押し殺して泣いた。
彼のタバコを胸に抱いて。