happiness
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それからおれたちは他愛無い会話を楽しんだ。
ミドリちゃんは両親の話や
カフェでの仕事は大変だけど楽しくて
いつか自分の店を持つのが夢だと言っていた。
おれは仲間たちの話、旅の話。
働いていたバラティエの話。
どんな話でもミドリちゃんは楽しそうに聞いてくれた。
おれも心底楽しくて、時間を忘れていた。
気付けば窓の外は夕暮れ。
時計に目をやると
ミドリちゃんが少し寂しげな表情をした。
「そろそろ船に戻らないとですよね…?」
「…そうだな。奴らに飯を食べさせないといけないからな…」
「……。」
頼むからそんな顔はやめてくれ。
帰りたくなくなっちまう。
いや、正直もう帰りたくねぇんだが…
でもダメだ。
おれには帰る場所がある。
待っているヤツらがいる。
どんなことがあっても
あいつらのそばから離れるわけにはいかねぇ。
意を決して立ち上がる。
と、シャツの裾を握られた。
「サンジさん…」
ミドリちゃんの声が震えてる。
寂しいんだろうな。
しゃがんで目線を合わす。
「…どうした?」
「……好きになってもいいですか?」
その綺麗な瞳を潤ませて
頬を赤らめて
真っ直ぐにおれの顔を見て
この可愛さはヤバい。
「あの…ミドリちゃんおれは——」
「わかってるんです。好きになっちゃいけない人だって…サンジさんは旅人だから……でも…私…もう好きになっちゃいました。」
大きな瞳から一筋こぼれたミドリちゃんの涙を拭う。
「困らせてごめんなさい…でも、もう抑えられなくて……もうこれでお別れかもって思ったら…伝えたくて……」
気付けばおれは
力いっぱい君を抱き締めていた。