happiness
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今思えば、完全に一目惚れだった。
店の中で忙しそうにしながらも
客相手に笑顔を絶やさず
楽しそうに働く姿から目が離せなかった。
だから昨日、人攫いから君を助けたときは
とにかく無事でよかった。
助けたのがおれでよかった。
心からそう思った。
それに、これで君と繋がることができた、と。
君の生い立ちを聞き、その寝顔を見ると
ますます愛おしくなった。
そんな君が、自分の大事な日に
今、おれの作った料理を目の前で美味そうに食べてくれている。
「口に合うかな。」
「はい!どれもすごく美味しいです!サンジさんの仲間の皆さんは、毎日こんなお料理を食べられて幸せですね。」
全客相手に向けられていたその笑顔が
今は俺だけに向けられていると思うと
胸が高揚する。
「いや、あのカフェのワッフルもすごくうまかったよ。」
「嬉しい!あれ私が作ったんです。」
「ミドリちゃんが?すごいな。生地の味も良かったし、焼き加減も絶妙で。あのソースも完璧だった。」
「今度こっそりレシピ教えますね。サンジさんならすぐに作っちゃいそう。」
嬉しそうに微笑む君を
今すぐ抱き締めてしまいたい。
そう想ったが、すぐに頭の中のその気持ちをかき消した。
おれは世界を旅する海賊。
ミドリちゃんはこの島で働いていて
海に出ることはない。
好きになってはいけない子。
ズキンと痛む胸を誤魔化すように
おれは料理を口に入れた。