彼女にしてください。
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
こんなにも鼓動が速いのは
熱のせいだけじゃない。
お互いこんなに厚着をしていても感じられる
ゾロの温もりに、久しぶりに胸が高鳴った。
終わりにできるかもって、思ってたのに。
ただの仲間に戻りたいって、思ってたのに。
ずっと避けてたのに
一目見ただけで私の変化に気付いてくれて。
やっぱりこんなにいい男、他にいないよ。
「おい、離れろ。着いたぞ。」
医務室のベッドに下ろしてくれたけど
私はそのままゾロの首にしがみつくように
両腕で抱き着いた。
首元のマフラーに顔を埋めると
少しひんやりとしていて熱った頬に心地いい。
「おい、どうした。」
「……優しくしないでよ。」
「あ?」
「せっかくゾロのこと諦めようとしてたのに……」
「……それでおれのこと避けてたのか。」
「気付いてたの?」
「当たり前だ。」
「……すごく寂しかった。」
「あ?自分から避けてたんだろ。」
「そうだけど……皆のことも大好きだけど、ゾロのそばが一番居心地がよくて…安心できて……やっぱりゾロがいいって思い知らされただけだった。」
「………」
「こんなふうに優しくされたら…やっぱり諦められないよ……」
ギュッとする腕に、さらに強い力を込める。
「まだ好きだよ。ゾロ。」
そっと、背中に手が回された。
「……ゾロ?」
「……安心した。」
「え?」
「……ちゃんと考える。お前のこと。」
「それって……」
そのままゾロは私をベッドに寝かせた。
近くで見たゾロの顔が
少し赤くて、少し熱っぽくて
少し期待してしまった。
「とりあえず今は風邪を治せ。」
首元まで布団をかけてくれながら、そう言った。
聞きたいことがたくさんあった。
ちゃんと確認したいことが。
でも今は、悔しいことに頭がうまく回らなくて
ひとつだけわがままを言った。
「眠るまで、頭撫でていて?」
ゾロはフッと笑うと、大きな手を私の額に乗せる。
前髪の上で優しく動く手のひらが
暖かくて優しくて、私は静かに目を閉じた。
とてもとても、幸せな夢を見た。
ゾロと恋人同士になれる夢。