彼女にしてください。
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ゾロと顔を合わすのが気まずいと思っていたけど
びっくりするほどゾロはいつも通りだったから
私も変に意識することなく接することができた。
告白する前と後でのゾロの態度が変わらなすぎて
私の告白はなかったことのような
全く意味のないものだったような
そんな気持ちになって、すごく悲しくなった。
それと同時に、やっぱりこうしてそばにいると
胸がドキドキして、ゾロばかり目で追いかけて
どうしてもこの男が好きなんだと
再確認させられる。
ーーーーーーーー
「おい。」
数日が経ち
珍しくゾロが芝生甲板でくつろいでいる
仲間たちへ声をかけてきた。
「おれの腹巻知らねェか?一枚足りねェ。」
「ええっ!枚数把握してるの!?」
バカな私はいの一番に大きな声で反応してしまい
ギロリ、とゾロから鋭い視線を向けられる。
「てめェか。」
「……知りません。」
私とゾロのやりとりを見て
不思議そうな顔をしている仲間たちの横で
ナミは笑いを堪え
ロビンはニコニコとこちらを見ていた。
楽しんでないで助けて。
「何に使ってるか知らねェが、早めに返せよ。」
ゾロはそれだけ言って去って行った。
よかった。怒られなかった。
「ミドリ、はら冷えるのか?痛くなったらすぐ言えよ?」
今のやりとりを聞いて
単純に私のお腹を心配してくれるチョッパーが
愛しくて、思い切り抱き締める。
「大丈夫だよー!ありがとう、チョッパー!」
「やめろ苦しいぞ!」
ーーーーーーーー
バレてしまったからには返すしかない。
空に星が綺麗で、皆が寝静まった静かな夜。
ゾロが不寝番の時間
私は布団の中に隠してあった腹巻を手に
見張り台へ向かった。
「すみませんでした。」
あぐらをかいて座っているゾロの足の上に
それを置き、そのままさりげなく隣に座る。
「……何に使うんだ、こんなもん。」
「……怒らない?」
「怒るようなことに使ってんのか。」
怪訝そうに眉間に皺を寄せるゾロに
私は素直に頭を下げた。
「抱き締めて寝てました。」
「寒ィなら布団足せばいいだろ。」
「そうじゃないの。何もわかってないんだから…」
「あ?」
「ゾロの温もりが欲しかっただけです。」
「………」
「気持ち悪いことしてすみません…」
もう一度、深々と頭を下げる。
「別に気持ち悪ィとか思わねェけど。」
鼻の頭を指で掻きながら顔を逸らすゾロが
どことなく照れているようで、胸がきゅっとなる。
少しは私を意識してくれてる気がして。