彼女にしてください。
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「あら、おかえりなさい。」
「早かったわね。てことは…」
「うん、フラれた……」
女部屋に戻り
寝支度を進めるロビンとナミに迎えられながら
ベッドへと倒れ込む。
「だから言ったじゃない。ゾロなんかに本気になったって惨めになるだけだって。」
「わかってるよー。でもほんの少しでも可能性があるかと思ったんだけど……」
「ゼロだったのね、可能性。」
フフフと楽しそうに笑うロビンの可愛い笑顔が
なんだか今は憎い。
「もう寝る。」
「そうしなさい。寝て忘れることね。」
「忘れるなんて無理だけどね……」
拗ねたように口を尖らせながら
ベッドに潜り込むと、ナミがふと私の手元を見る。
「ミドリ、あんたそれ何持ってんの?」
私は手に持ってる緑色のものを2人に見せた。
「腹巻。ゾロの。干してあった洗濯物の中から拝借してきたの。」
「やめなさいよ!そういうの!」
ドン引きしたナミが、げぇという顔をした。
いいじゃないか。
心が手に入らないのなら、その人が身に着けていたもの、ひとつくらいもらったって。
「大丈夫だよ。きっとこれ何枚も持ってるだろうし。1枚くらいなくなったって、ゾロは気付かないよ。」
「そういう問題じゃないでしょ!やってることが変態なのよ!」
「立派な泥棒だけど、面白いわね、ミドリは。」
またロビンに、フフフと笑われて
私は2人から逃げるように頭まで布団をかぶった。
ゾロの腹巻を胸いっぱいに抱き締める。
こうしていると、ヤツがすぐそばにいるようで
布団の中で無性にドキドキして、眠れそうにない。
ふわふわとした触り心地と
所々にある毛玉にまでもときめいて
かなりの重症だ。
こんなにゾロのことが大好きなのに
諦められるはずがない。
——そういうのいらねェ
言われた言葉を思い出して
鼻の奥がツンとしてくる。
ロビンとナミが寝て、女部屋が静まる頃
ゾロの腹巻は私の涙で湿っていた。
ーーーーーーーー
「うわ!何よその顔!まさか泣いてたの!?」
ほとんど眠れなかった顔で起き上がると
先に起きていたナミがギョッとして
顔を覗き込んできた。
「やっぱりわかる?」
「そんなに泣くほどアイツに本気だったのね。変態とか言ってごめん。」
ナミは私の頭を抱き寄せて、髪を撫でてくれた。
私は甘えるように目の前の大きな胸に頭を預ける。
フカフカで気持ちいい。
「いいの。変態は本当だから。」
「でも泣いてたって仕方ないんだから、なるべく早く忘れることね。嫌でも顔を合わせる仲なんだし。あーお腹空いた。先に行ってるね。」
さすがナミさんはアメからのムチが早い。
すっと私を残し、女部屋を出て行ってしまった。
「顔洗って、落ち着いてから来るといいわ。」
ロビンもそれに続く。
私も仕方なく重い身体を動かし、ベッドから出た。