彼女にしてください。
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「好きです。」
「あ?」
ある日
意を決して告白をしてみたら
「彼女にしてください。」
「断る。」
秒で断られた。
〜彼女にしてください。〜
「せめてさぁ、少しくらい考えたりさぁ…もうちょっと言葉を選んだりとかできない?」
「考えるまでもねェ。」
本当に、どうして私は
こんな乙女心を全くわかってくれないような
デリカシーのカケラもない男に
恋をしてしまったのか。
でも、好きになってしまったものは仕方ない。
どうしても私は、こいつの彼女になりたい。
「私のどこがダメですか?教えて?直すから。」
「お前がどうこうじゃねェんだよ。」
「ならいいじゃん!どうせいつも船の上で一緒にいるんだから、恋人にくらいしてくれたって。」
「そういうのいらねェ。」
「少しも興味ありませんか?」
「ねェ。」
私の方を見もしないで
延々と腕立て伏せを繰り返しながら
ぶっきらぼうにそう答える。
女子に愛の告白をされているというのに
トレーニングをやめることもせず
背中に何やら重たそうなものまで乗せて
どこまでもストイックな男だ。
「そんなバカみたいに筋トレばっかしてないで、年頃の男子なんだから女子と遊ぶことも必要だと思います!」
「しつけェな。」
「こんな可愛い子に告白されることなんて、もう一生ないんだからね!?」
「別にいい。」
冗談のつもりで言った言葉も
つっこまれることもなく平然とぶった切られる。
仲間に恋をしてしまうという事態に
毎日悩んで悩んで
こっちは死ぬほど恥ずかしいのを堪えながら
勇気を振り絞って気持ちを伝えたというのに
もう何を言っても
この男の態度は変わらないんだと思ったら
なんだか怒りのようなものが込み上げてきて
「もう!ゾロなんか一生童貞のままハゲジジイになっちゃえばいい!!」
ほぼ八つ当たりのような言葉を最後に浴びせて
展望室を後にした。
「……ハゲは勘弁だな。」